デジタルとアナログの融合

　うわさに聞いていたＦＭトランスミッターを買った。たった数センチ角のデバイスで、単４電池２本で５０時間もつ、と説明書にはあった。デジタルのＭＰ３プレーヤーにつなぐと、ＦＭラジオを備えたオーディオ機器に電波が飛び、ＭＰ３プレーヤーの音楽がオーディオ機器から聞こえてくる。電波は７７メガヘルツ前後のＦＭ波。微弱電波だから、ＦＭラジオから３メートル以上離れると聞こえない。
　デジタル音楽ファンには、何をいまさらといわれそうだが、車載のＦＭラジオでも使えるのがいい。わが家の車は１０年以上前の車種。ＣＤプレーヤーもＤＶＤプレーヤーもない。あるのはカセットテープのプレーヤーとＦＭラジオだけ。しかし、このデバイスとＭＰ３プレーヤーを車に持ち込むと、デジタル音楽がＦＭラジオで聞くことができる。ＣＤもＤＶＤプレーヤーもいらない。デジタルオーディオを装備していない古い車でも、たった２千数百円のトランスミッターで最新のデジタル音楽を楽しめるのだ。
　音質のことはよく分からない。それほどクリアな音質ではない気もするが、昔のアナログ音楽に似た感じで、親しみやすい。現在の車を買った時、けっこう高価なオートチェンジャーつきのＣＤプレーヤーを買わなくてよかった。映像も電波でアナログのテレビに転送できる時代。デジタルとアナログが融合すれば、古いアナログ機器をよみがえらせることが可能になる。