相撲と野球賭博

相撲界が野球賭博で揺れている。薬物汚染、相撲部屋の暴力事件から朝青龍の暴行事件、そして野球賭博事件。不祥事がなくならない。賭博事件はどこまで広がりを持つのか。
  メディアは相撲界の中にばかり目を向けているが、問題なのは暴力団がからんだ賭博を放置していた警察ではないのか。野球賭博の寺銭は暴力団に流れている。その総額はいくらなのかさえ、知らされていない。角界の賭博が暴力団の資金源になっていることはメディアに警察ＯＢが登場して証言しているではないか。
  相撲取りは若くして入門する。社会の常識も十分備えていない。半面、実力さえあれば若くして巨額の報酬を得る。賭博にのめりこんでもおかしくない。勝負師としての勘を磨くにもいい訓練になるかもしれない。サラリーマン社会でもマージャンなどで賭ける場合がある。仲間との懇親と決断力の涵養にもなる。
  力士が賭博をすることを許しているわけではないが、問題はかけ金が大きく、胴元に暴力団がからんでいることだ。暴力団がどういう存在なのか、どのように資金を調達しているのか、若い彼らに知識があったかどうか疑わしい。稽古ばかりしている力士だけに今回の事件の責任を負わせるのは酷な気がする。
  相撲協会は彼らにきちんと社会教育をしているのか。警察は力士たちに警告を発していたのか。周囲の無責任さ、警察の不作為の作為の方に腹が立つ