junhara's blog

中高年登山者の遭難に思う

中高年登山者の遭難が問題になっている。今日２７日もＮＨＫテレビでその問題を取り上げていた。国による山岳ガイドの養成が必要、登山者自身の自覚と自己責任が求められるといっていた。
  実は私も登山は好きだった。だがもう登らない。その体力がない。なぜ中高年は山に登るのか。登山は苦しいが、登頂した時のパノラマが美しいからか。登山は年をとってからやるには覚悟がいる。三浦雄一郎さんとか田部井淳子さんとか、高齢になっても山に登る人たちの雄姿を見て自分も、と思うのだろうか。彼らが日ごろどれくらいトレーニングを積んでいるか。見習うといっても簡単ではないはずだ。
  学生時代私は探検部にいた。道なき道を歩くトレーニングとして毎月のように山に行った。登山道のない山、地図と磁石だけが頼りの山行だった。雨に振り込まれ、一ヶ所に何日も留まることもあった。
  リーダーになってから、危険を避けるため撤退したり、停留したりすると、よく後輩からいわれた。「勇気がない、なんで決行しないのか」。その時腹の中でこういっていた。山行の目的は無事に帰ることだ。
  大学２年の夏だった。探検部の後輩が谷川岳一の倉沢で転落死した。その死体を仲間と担いで下山した。登山する前、彼らは私の忠告を聞かなかった。「私たちには岩登りは教えられない。だから勝手に登るな」と伝えていた。それでも彼らは登って墜落した。
  山で後輩からなじられた時、あの光景を思い出していた。「お前らの死体を担ぐのはもうゴメンだから」とだけいった。
  登山は自己責任だという論が多い。勝手に遭難するのはいいが、捜索する人、死体を担ぐ人、荼毘にふす人の労力、遺族の悲しみを考えたら、自己責任では済まないはずだ。忠告を聞けない勝手な人は山に登らないことがホントの自己責任である。
  山では弱虫になることが最も勇気のあることである。

地デジ未対応２割

２４日のテレビは一日中地デジの宣伝が続いた。アナログ停波まであと１年。移行のための問題を解説する番組なのだが、早く移行しないと大変だぞという意図が感じられた。すでに移行済みの視聴者には余計なお世話のはずだ。
  ２３日の朝日新聞朝刊によると、地デジに対応していない世帯が東京を中心に全国で２割、１１００万世帯もいるそうだ。こうなることは以前から予想されていた。アナログ放送延長を求める提言も出ている。実はわが家もまだ移行していない。
  報道にあるように、都心の対応遅れはアンテナの問題である。わが家の屋上のアンテナはＶＨＦ用でＵＨＦアンテナはない。ＵＨＦがないと地デジは受信できない。近所の屋根を見回してもＵＨＦアンテナを設置している家は１軒もない。都心ではＵＨＦ放送がないからそもそも設置されていないのだ。ＵＨＦアンテナの取り付け工事費は案外高い。代替として、光ファイバーで地デジを受信する方法を検討しているのだが、フレッツＴＶにするか光ＴＶにするか、まだ結論が出ていない。ケーブルＴＶ経由の受信もできるが、光をやめてケーブルに加入するのも面倒だ。
  わが家が地デジに躊躇する最大の理由は、まだアナログテレビ受信機が使えることである。地デジに切り替えるにはデジタル受信機の新規購入が必要である。まだきれいに映るアナログ受信機が粗大ゴミになる。チューナーをつないで地デジをアナログ受信機で見る手もあるが、わが家のテレビはもう１０年以上使っている。古いアナログ受信機のためにチューナーを購入する気にはなれない。
  日本製家電は品質がいい。耐用年数も長い。前回テレビを買い換えた時も古いテレビは十分使えた。だから粗大ゴミに出さず、２台目のテレビとして使った。アナログ放送が続く限りこのアナログ受信機を使うことが、家計にも環境にも良いはずだ。日本製テレビの品質の高さも地デジ未対応の背景となっている。

あっちっち

東京も真夏日が続いている。冷房温度をいつもより2度さげているが、それでも暑い。南向きのベランダに打ち水をした。あっという間にからからに乾いた。また打った。5分ともたない。何回打ち水したか。それでも暑い。
  午後3時。ＰＣ上に表示された気温は34度。（どこで測定した気温かは知らないが、ネット経由でデスクトップに自動的に表示される）食糧買出しに外出する気も起きない。年を取るにつれ気力の衰えを感じてはいるが、衰えに追い討ちをかける暑さである。一人暮らしの老人が室内で熱中症で亡くなる事故が報じられているが、エアコンがここで故障したら、と考えると恐ろしい。
  ベランダにニガウリやキュウリ、ナスを植えて緑のカーテンを作ろうと、毎年考えるのだが、土はどこから持ってくるのか、ツルが巻きつく棒やひもはどこに固定したらいいのか、考えると億劫になり、結局何もしないで真夏を迎えてしまう。亡くなった母親がベランダにたくさん鉢植えを置いていたのを思い出す。晩年は手入れもいき届かず、荒れ放題だった。あれも気力の衰えのしるしだったと思えば、手を貸しておけばよかった。
  夏は始まったばかり。あと何日この暑さが続くのか。若いころは避暑に出かけたが、どこに行くか、何で行くか、諸費用はいくらかかるか、考え出すとまた億劫になる。避暑にも気力が、もちろん金力も必要なんだと気づく。原稿を書くにも気力が必要である。夏に自然とブログへの投稿が減るのは、年と暑さのせいだと自分を慰めている。
  申し遅れましたが、みなさん暑中お見舞い申し上げます。

民主党は消費税問題で負けたのか

参院選で民主党が敗北した。予想通りだった。菅首相は開票後の記者会見で「消費税の問題を唐突にいい出したこと」が敗因だったことを認めた。だがホントに消費税増税で民主党は負けたのだろうか。自民党は消費税増税を公約に入れているのに、参院選で議席を増やした。増税反対を声高に叫んだ共産党は議席を減らした。
  メディアの世論調査では、消費税増税反対が賛成を上回っているが、その差は数ポイント。参院選比例区の得票率は民主党がトップである。ホントに民主党は消費税問題で負けたとは思えない。
  ではなぜ負けたのか。増税する前にやることがあるだろう、といって議席を大幅に伸ばしたみんなの党の票に解があるのではないか。政府の無駄を徹底的省く政策は民主党の仕分け作業とある意味で通じるものがある。民主党はやるべきことを徹底してやるべきだ。そういう票ががみんなの党に流れたともいえる。
  これからさまざまな分析が出てくるだろうが、前政権のごたごたが尾を引いた。政権交代への期待が大きかった割りにもたもたして、決定力、説明力を欠いた民主党政権に国民がお灸をすえたということだろう。最も悪いシナリオはこの敗戦でごたごた、もたもたが今後も続き、政治が停滞することだ。
 

与党やはり過半数割れ

今日の朝日と日経朝刊は、参院選の選挙情勢調査を1面トップで報じていた。いずれも民主党は改選議席数を下回る５０議席前後と予測している。選挙情勢調査は新聞社によって多少のずれがあるものだが、朝日と日経は奇しくもほぼ同じ結果になった。
  昨年8月の衆院選の情勢調査でも民主圧倒という結果が出ていた。まさかそこまで行くとは思わなかったが、開けてみれば情勢調査の結果がほぼ当たっていた。
  私も現役時代選挙情勢調査を担当したことがある。学生アルバイトを使って面接調査をかけるのだが、内心これで正しい結果が予測できるのか、疑問に感じていた。案の定担当した選挙区の開票結果は情勢調査とは逆だった。それみたことかと思ったが、本社の調査担当者からはきちんと調査してないからではないか、と疑われた。再調査というか追跡調査を命じられ、再び学生を呼び集め調査した。再調査でも開票結果とは逆の結果が出て、私にかけられた疑いは晴れた。統計とはそういうものだとヘンな確信を持った。
  最近は昔と違って電話による調査がメインになったらしいが、調査の精度は上がっているように見える。面接調査だと調査対象を多くすることに限界があるし、不在が多く精度が上がりにくい。電話だと本人確認が難しいものの不在などで調査不能は少なくなると思われる。専門家ではないので、この分析があたっているかどうか、自信はないが、近年の選挙情勢調査に大きな外れはない。
  情勢調査が発表されると、判官びいき的感情から逆の投票行動を誘う効果があり、新聞社は情勢調査を発表すべきではない、という意見もあった。最近はそういう意見もあまり聞かない。天邪鬼な有権者が減ったのだろうか。それくらいで意見を変えない国民が増えたのだろうか。
  内閣支持率も同じように調査されその結果で政策が変わったり、内閣が倒れたりする。これは、ホントにいいのかどうか。政治が人気取りやパフォーマンスに終始する恐れもある。消費税が選挙にマイナスであることはだれでも予想はつく。世論調査でも同じ傾向が出ている。それでも消費税の問題をあえて選挙中に持ち出した民主党菅直人には勇気があるのか、メディアの調査を信じていないのか。しかし、勇気だけでは票は集まらない。
 

ＮＨＫは寄せられた意見で決めるのか

ＮＨＫが大相撲名古屋場所の中継をやめると発表した。ＮＨＫに寄せられた意見の多くが中継すべきではないというものだったから、慎重に判断したとＮＨＫ会長が語っていた。
  1万以上の意見が寄せられたそうだが、ＮＨＫは寄せられた意見の多数決で経営方針、編集方針を決めるのだろうか。これが報道機関かと思うとぞっとする。ＮＨＫ自身の判断はどこにいったのか。ある政党の報道をするなとか、ある政党の報道を増やせなどと視聴者が大勢意見を寄せたら、報道姿勢が変わるのではないか。そんなことを連想させる。
  視聴者の多くがダメといっても独自の判断で報道すべきは報道するのが報道機関ではないのか。
  相撲協会の理事長代行がＮＨＫを訪問し、名古屋場所の中継を中止しないでほしいと申し入れた直後に中止決定した。毎場所ＮＨＫが中継しているから相撲人気は続いているのだ、という権力的姿勢が透けて見える。中止するなら理事長代行がＮＨＫに来る前に、訪問は必要ないと連絡すればいいはずだ。
  闇の勢力と縁が切れない角界はＮＨＫとの腐れ縁も切れない。ＮＨＫが中止するなら民放に頼むとなぜいえないのか。ＮＨＫの中継なしには経営基盤が保てない相撲協会も問題だ。いっそのことネット中継を相撲協会が独自にやればいい。カネはそんなにかからない。

軽減措置で消費税増税分が吹っ飛ぶってホント？

菅首相が消費税増税をめぐる論議で「低額所得層には軽減措置をとる」と発言したことについて、政府関係者が「増税分がほとんどなくなるほど財源が必要になる」と懸念しているとの記事があった（２日朝日朝刊）。消費税を１０%に引き上げると単純計算で１２兆円の増収になるが、軽減対象を年収４００万円未満とすると全世帯の４６．５％に達し、これだけ（多くの）世帯に一定の減税や給付をすると増収分が吹っ飛ぶというのだ。この部分はテレビでもキャリーされたから、多くの国民が目にしたはずだ。だが、ホントだろうか。
  軽減措置がどういう内容か分からない段階でははっきりしたことはいえないが、なぜこんなことがいまいえるのか不思議である。仮に低所得層には消費税増税をしない、つまり５％に据え置くとしても、４００万以上の世帯からの増税分は増収にはなるはず。年収４００万以上の世帯は消費税が２倍になったら消費を減退させるのだろうか。消費減退分が増税分とほぼ等しいというなら分かるが、その根拠は何だろうか。一時的に減退しても時間とともに戻るのが過去の歴史である。
  低所得層への軽減措置として年度末に還付請求させるとしてもその徴税コストが増収分と同じなるはずがない。消費税は民にばかり納税負担がかかり、税務署に余計なコストが発生するとは思えない。低所得層への軽減措置が現行税率より低くするなら話は別だが、菅首相はそんな発言はしていない。政府関係者はなぜ増収分が吹っ飛ぶといっているのか、根拠を示さねばならない。
  根拠をたださないまま政府関係者の発言を記事にするのは問題である。政府関係者とは民主党関係者か財務省関係者かも記事にはない。出所も根拠もあいまいな記事は読者を惑わせる。