案の定というのもヘンだが、4月を待たず東京のサクラが満開になった。九州のサクラはまだだ。ワシントンのポトマック河畔のサクラも東京と同時に満開になったそうだ。東京から贈られたサクラだから咲く時も同じなのだろうか。現役時代何度かワシントンのサクラの時期に遭遇した。いずれも4月の初旬だった。サクラが散るとすぐハナミズキが咲いた。
ポトマックのサクラも見た。ワシントン郊外の住宅街、ケンウッドとかいうところで見たサクラはポトマックのサクラよりきれいだった。知る人ぞ知るサクラの名所である。子ども達が自宅の前に露店を出し、お茶やジュースを売っていた。どんちゃん騒ぎするする人は一人もいなかった。
近所に咲くサクラを写真に撮った。花の下で酒を飲んで騒ぐ人もなく、ひっそりと咲いていた。時期の後先は別にして、サクラは時が来れば咲き、時が過ぎればはらはらと散る。
日本人はそんなサクラの生きざま、散りざまを人生と重ねてみるのが好きだ。人生最後の花を咲かせる、などといってみたりする。
人生最後の花とは何か。そんなことを考えるより、ご近所のサクラみたいにひっそりと咲き、ひっそりと散る。見てくれる人は見ている。そんな人生の方が自分には似合っていると思うのだが、ジャーナリストという騒々しい人生を送ってきていまさら何をいうか、といわれそうだ。
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