ＪＡＬもウィルコムも企業再生機構へ

ＪＡＬ破綻で気の毒なのは、年金が減額される退職者だろう。同じ年金生活者として同情する。世間からぜいたくな年金だと批判されさぞ肩身が狭かろうに。しかし、年金は労働債権であり、減額は許されないはず。同意しないと年金基金を解散するぞの脅しでようやく３分の２の同意が集まった。労働組合が基盤であるはずの民主党からも救いの手は出なかった。
  確かにＪＡＬ年金の運用利回りはちと高い。超低金利のこの時代では到底約束した運用利回りは出ないだろう。私の年金利回りも退職直前に引き下げられた。年間いくらの減額になったかは忘れたが、ＪＡＬのように３割減だと暮らしていけるかどうか自信がない。
  国民年金だけでは老後の暮らしは心もとない。サラリーマンにとって企業年金は働く意欲、会社への信頼に関わる。このようなことが起きると若者の年金不信がいっそう増幅される。それを黙って見ていた民主党に対する高齢者の支持率は確実に下がる。
  ＰＨＳのウィルコムも近々ＪＡＬと同様企業再生機構に支援を求めるらしい。こちらも年金は減額されるのだろうか。新聞は書いてない。
  ウィルコムの最高顧問は稲盛和夫氏である。前身の東京ポケット創業の時から経営には深く関わってきた。その稲盛氏が再建ＪＡＬのＣＥＯになる。ある企業を破綻に追い込んだ経営者が破綻した企業の再建に当たるなんて理解に苦しむ人事だが、稲盛氏くらいしか経営者が見つけられないのが寂しい。