日本人は忠臣蔵が好きだ。毎年この季節になるとどこかのテレビ局が必ず忠臣蔵物を放映する。今年はNHKが忠臣蔵の恋というドラマをやっている。
そのドラマで吉良上野介の妻の実家が出てくる。白金の上杉家下屋敷だ。吉良の動向を探るため磯貝十郎左衛門の恋人がその屋敷に住み込みの女中として働く。浪士との連絡は氷川神社境内の大木の下。
上杉家は白金にあったのか、初めて知った。家にあった白金の古地図を引っ張り出して調べてみた。あった。氷川宮の隣りに上杉弾正少弼とある。いまは高級マンションが建っているあたりだ。三光坂をちょっと下れば氷川神社の鳥居がある。当時は上杉屋敷からすぐ神社に行く道があったかもしれない。スパイの女中が情報交換するには上杉屋敷に近すぎる。かといって女中が屋敷を長時間あけるわけにもいくまい。やはり近場の方がいい。
テレビの神社でのロケ地がどこだったのかは知らない。少なくとも現在の氷川神社ではなさそうだ。
古地図に載っている周辺の寺は今もある。古地図を見ながら忠臣蔵を見るのも面白い。歴史にもしはないが、吉良上野介が本所の吉良邸に戻らず、白金の上杉邸に滞在していたら、赤穂浪士はここに討ち入りしただろうか。赤穂の殿様の墓は泉岳寺だ。本所より白金の方がはるかに近い。
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