NTTの次世代ネットワーク(NGN)のショールームを見た。東京・大手町で昨年末から公開されている。NTTに申し込めばだれでも見学できる。光ネットワーク時代になれば、どんなサービスが可能になるか実物で見てもらうことが狙いである。
主な展示は、ハイビジョンクラスの映像と音声によるテレビ会議、地上波デジタル放送の再送信とオンデマンド映像配信、遠隔地にいても病理診断を可能にするシステム、ICタグと監視カメラを組み合わせた子どもの安全を見守るシステム、ベッドにいながらにして介護情報を送れるシステムなど。目新しいものがあるわけではない。
光ファイバーとインターネット通信方式(IP)で、高解像度の映像伝送が可能であることと、電話時代と同様の高い安全性が確保できることを強調している。そのためNGNには最優先品質、高品質、ベストエフォートの3つの通信品質を用意するという。
IPは回線に空きがある時に通信する方式(ベストエフォート)だから、回線容量が足りなくなると、データが欠落するなど通信品質が落ちることがあるが、NGNでは安心、安全であることを訴えている。
NGNはインターネットの世界にNTT独自の別天地をつくることであり、インターネットの高品質トラフィックの囲い込みといってもいい。
確かに通信品質が確保されなければ、商業利用は難しい。NTTは20メガから30メガの帯域が確保できれば、展示したサービスが可能だとしているが、コストがいくら上乗せされるのか、についてはいっさい明らかにしていない。
NGNが実用間近かであることは分かった。あとはコストだ。だが、それが問題だ。
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