朝ドラのちりとてちん。五木ひろしの歌、「ふるさと」がよく出てくる。主人公のふるさとは福井県の小浜。自分を変えたいと大阪に列車で向かう娘を沿線で見送る母親がこの歌を歌う。じんとくるシーンだった。
私の初任地は福井。「ほやてえ、ほやてえ」朝ドラに出てくる福井弁が懐かしい。次の任地が大阪。ドラマの主人公と同じコースである。テレビに天神橋あたりが映るとやはり懐かしい。
初任地の福井に母親が訪ねてきたことがある。越前カニを食べてもらい東京に送り返した。大阪にいた時も母親の訪問を受けた。京都の化野、鞍馬あたりを案内して帰ってもらった。いずれの時も母親から、ふるさと東京にいつでも帰ってこい、とはいわれなかった。
東京生まれには、ふるさと感覚がない。当時、東京の環境は最悪だった。赴任地の希望を聞かれた時、東京からなるべく遠くを希望した。
大阪から東京に戻って30余年。ふるさとなのに、生家もいまやない。親も亡くなり実家もない。だれにでもあるはずのふるさとが東京生まれの私にはない。
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