東電会長の記者会見を全部見たわけではないが、報道を見る限り、彼は何も語っていない。経営トップとして初めて会見、まず国民へお詫びした。でも遅すぎる。社長は前日、心労で入院した。その代理で会長が出てきた。
「原発災害の被害はできる限り補償する」
それは当然だが、責任限度額は1200億円。あとは税金である。
「1-4号機は廃止」
だれが見てもあの原子炉がまた動くなんて考えられない。5,6号機は動かすのか。柏崎原発は動かすのか。何も答えていない。
「おカネはいくらあっても足りない」
すでに2兆円の資金を確保したらしいが、原油、LNG価格の上昇、新規発電所の建設などカネはいくらあっても足りない。株価は額面割れ。株式市場からも調達できない。あとは政府しか頼れない。
「それでも(国有化より)民営がいい」
経営形態がどうだろうと、国民の負担は変わらない。リーマンショック後のGM国有化とは事情がまったく違う。
経営陣は過去に遡って退職金は返還。資産を売却して補償金に充当しても、それこそ焼け石に水。
事故に責任ある経営者を、お江戸市中引き回しの上、斬首さらし首にしたって、国民は納得しない。一日も早く原発事故を終息させるために何をするのか。見えてこない。
「絶対安全」といってきた国。疑いつつ、原発の恩恵を享受してきた大都市圏。この構図を変えるきっかけにしないと、亡くなられた方々は報われないような気がしています。
日本国民1億2000万人が国を相手取って集団訴訟を起こすというのは、自分自身を起訴することになるので非現実かもしれません。ですが、原発事故で避難を余儀なくされた方々は、精神的苦痛を事由に東電と国を集団訴訟する権利を持っているでしょう。過去にさかのぼって責任を追及してほしいものです。原発推進論を打ってきた大手マスコミにはその責任がありますよ。
投稿情報: 佃 均 | 2011年3 月31日 (木曜日) 08:24