27日の朝日新聞によれば、福島第1原発から放出されたセシウム137は原爆168個分だそうだ。原子力安全保安院が推定した。
もうひとつ。24日朝日新聞によると、7,8月に原発から1キロ離れた場所で観測された放射能濃度から、1時間当たり2億ベクレルの放射性物質がなお原発から放出されていると推計できるのだそうだ。東電はこの数値は高めに出ている可能性があり、詳細な調査をするとしている。
この二つの記事は大きくは掲載されなかった。だが福島原発事故の規模を知るには役立つ。福島原発事故は、核爆発こそなかったものの、大気中核実験168回分の放射性物質を放出したことを意味する。核実験反対を日本は叫んできたが、事故で一度に核保有国と並ぶ放射性物質を大気中に放出していたことになる。
2億ベクレルの記事は、いまだに原発から放射性物質が出続けていることを東電が追認したことになる。放出量は事故直後よりは大幅に減少しているとはいえ、いまだに放射性物質の放出は続いているのだ。
いずれも大気中の測定データをもとに推定したもので、海に流出したり、地下にしみ込んだ放射性物質の量は含まれていない。
被爆国日本は核実験反対を言い続けてきた。だが、168発分の核実験を同じ放射性物質を環境中に放出していた。なお現在も出し続けている。こんな事実が広く知られれば、日本に核実験反対をいう資格があるのか、といわれかねない。
この8月、核兵器廃絶と原発反対運動の融合が見られた。だが、その日本が核保有国と同じように地球を汚染していたとなると、世界への説得力が失われる。あらためて原発事故の罪深さを感じる。
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