高校野球とサイレン

猛暑の毎日、テレビで高校野球を観戦している。
いまさらながらの話だが、試合開始にサイレンが鳴るのはなぜだろうと考える。投手が第１球を投げると同時に鳴る。大きな音量である。だれに知らせるのだろうか。球場内の観客はいまかいまかと試合開始を待っているのだから、サイレンで知らせるまでもない。バックネット裏で記録をつけている人、バックスクリーンでスコアを掲示する人、あるいはボールボーイに知らせたのだろうか。関係者に準備をするよう知らせるのなら、第１球より早く知らせる必要がある。
球場外の高校野球ファンに知らせたのだろうか。サイレンを聞いて実況中継するラジオのスイッチを入れたのか。テレビ中継がなかったころよく高校野球のラジオの実況中継を聞いた。あの坂東村椿の延長戦もラジオで聞いた。一日中ラジオはスイッチが入っていた。
それとも、あのサイレンで球児の戦意が高まるのだろうか。いまプロ野球であのサイレンは鳴らない。

あのサイレンを聞くと、空襲警報を思い出すという人がいた。戦前からあのサイレンは鳴っていたのだろうか。
サイレンがないとダメだ、気分が盛り上がらないと元球児から聞いた。球児ではない私は、そんなものかと思う。
一般にあのサイレンは多くの人に切迫した危機を知らせる音である。平和な時代、球児の祭典にあのサイレンはふさわしいのだろうか。
なにはともあれ、球児たちの奮闘を祈る。