地検川崎支部から逃走した容疑者が横浜で逮捕された。テレビには容疑者確保のテロップが流れ、定時番組を中止して、上空から確保の現場を生中継していた。
逃走したのは2日前。その間、NHKは関連情報を流し続けた。地検周辺の学校が集団で登下校を始めた様子。逃走経路や警察に寄せられた情報などだ。容疑者は20歳で、集団強姦と強盗の容疑で調べを受けていた。顔写真もずっと映していた。かつてのクラスメートの談話もあった。
まるで超有名人扱いだ。果たしてここまで報道する理由があるのだろうか、疑問に思った。
強盗事件は連日のように起きている。他の事件よりこの容疑者は凶悪なのだろうか。逃走した時は凶器などは何も持っていなかった。だから洋服や靴などを手に入れるため次々と事件を起こす確率は高いかもしれないが、逮捕されずに泳いでいる他の強盗犯に比べ特別に凶悪度が高い理由は報道されなかった。
ニュースは同時に起きた他のニュースとの比較で大きく扱われたり小さく扱われることがある。正月休み明けで他に大きなニュースがなかったのかもしれない。日本では容疑者が逃亡する事件は案外少ない。珍しい事件だから特別扱いなのだろうか。それにしても異常な扱いである。
生中継映像を見たが、米国でよく中継される逃亡犯と警察のカーチェイスのようなドキドキする映像はなかった。白バイの護衛つきパトカーで地検に護送される様子もヘリで生中継していた。まるで国家元首なみの警備であり、生中継だった。国家元首でもここまで特別扱いされる元首はめったにいない。
警備、取材中継には大きなコストがかかっているはずだ。大きなコストをかけるだけの事件なのだろうか。
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