打上から37年。1980年には土星に接近、土星の輪の鮮明な写真を送ってきた。
当時、科学部でボイジャー土星接近を担当した。最接近した時、ボイジャーからの通信が途絶えた。何が起きたのか。東京では確かめようがない。土星のリングに衝突したのではないか。だれもがそう疑った。
ボイジャーを管制していたJPL(ジェット推進研究所)に電話を入れた。リングに衝突したのか。その可能性はある、と広報担当者が答えた。
原因は不明だったが、結果的に通信は回復。土星のリングの鮮明な写真を伝送してきた。
その数ヶ月後、NASAの本部でボイジャーの撮影した写真のコピーを何枚ももらい、東京に郵送した記憶がある。
ボイジャーの電池は2020年ごろまで持つらしい。今後は恒星間を旅するのだから鮮明な写真を送ってくることはないだろうが、わが命の電池もそのころまで持ってくれるだろう。その後いつかは私も悠久の旅に出る。自分の脳には鮮明な記憶は残るだろうか。
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