NHKスペシャル、テクノクライシスを見た。ロボットが兵器として利用されている実情を報告していた。どこでも手軽に入手できる民生技術で巡航ミサイルまで手作りできる時代が来ているそうだ。無人の偵察飛行ロボット機が地雷を仕掛けるテロリストを識別し攻撃する映像もあった。こうした攻撃力を備えた無人偵察ロボットを無数に飛ばし、北朝鮮の動きを監視すれば、テポドンを無力化することなど容易かもしれない。
テポドン騒ぎで、自衛のための敵基地攻撃は許されるか、という議論が起きている。ミサイル防衛が事実上できなければ当然議論するべき話ではあるが、議論にはロボット専門家を招いてどうすれば安く効果的にミサイル防衛ができるか議論してほしい。
かつてレーガン米大統領が開発を進めたSDI。敵のミサイルを宇宙で探知し、レーザービームで撃破する構想だった。米本土に着弾する前に破壊するのだから、究極の兵器といわれた。しかし、技術的にはほとんど不可能であることが分かり結局お蔵入りとなった。イラク戦争でもスカッドミサイルをパトリオットが撃墜したと報道されたが、撃墜率が何%だったのかは疑わしい。ミサイル迎撃は確かに難しい。
しかし、偵察ロボットが常時監視し、テポドンが発射された瞬間に、攻撃破壊することは可能である。日本は世界でも最先端のロボット技術を持っている。それを使えば核ミサイルによる攻撃を事前に防衛することも技術的には可能である。
だが、Nスペはロボット技術を軍事転用するべきではない、という結論だった。宇宙の平和利用原則と同じように、アシモフのロボット3原則のひとつ、ロボットは人間に危害を加えてはならない、を結びとしていた。政府御用達の放送局とは思えない結論だった。自民党は宇宙平和利用原則を見直そうとしているが、アシモフのロボット原則も時代とともに見直すのが当然だ。
日本のロボット技術とIT技術を活用し、防衛力を強化することは、もっとも安上がりな防衛になるのではないか。他国に脅威を与えないためには、相手が先に手を出さない限り日本は攻撃しないという原則を確立すればいい。
IT、ロボット、宇宙。今はこれらを活用して防衛する時代ではないか。大艦巨砲主義にこだわった歴史を繰り返してはならない。
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