地下街やビルの高層階で携帯がつながらないところがある。そのような携帯不感地帯を解消する中継器が違法電波を出していると批判されている。
http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200403110373.html
中継器の違法電波が周辺にいる他人の携帯をつながりにくくするからだという。しかし、携帯が地下街などでつながりにくいのは、携帯会社が基地局建設をさぼっているからにほかならない。そのような場所で中継器を置けば携帯がつながるなら、違法であろうとなかろうと、設置したい人が出てくるのは自然だ。まして微弱電波を使って中継するのなら、他人に迷惑をかけるわけでもない。
携帯会社の中継器を紹介するホームページを読んでみてほしい。中継器の価格がいくらなのか、どういう場所で設置してくれるのか、携帯会社と設置者のコスト分担がいくらなのか、何も書かれていない。つまり、中継器を置けるか置けないか、コスト負担がいくらになるのかは、携帯会社の判断次第なのだ。公共性の高い場所なら携帯会社が全額負担で中継器を設置するそうだが、公共性の高い場所とはどういう場所かの基準も示されていない。
携帯会社が設置する中継器のコストは高い。設置場所によっては1億円以上する場合もある。民間業者の中継器はそれよりはるかに安い。携帯会社がさぼっている場所で民間が他人に迷惑をかけない範囲内で自衛策を講じることが違法だというなら、その法律が悪いのであって、自衛する側が悪いとはいえない。
私はここまで携帯が普及した現在、携帯電話に、いつでもどこでもつながるユニバーサルサービスの義務を負わせるべきだと思うが、それでも利用者がだれもいない山間部などにまで基地局を設置せよ、とはいわない。少なくとも民間が自衛で不感地帯をなくす努力を妨げることがあってはならない。
しかし、悪法でも法は法。現状は電波を免許された携帯会社しか携帯用の電波を出すことはできない。コードレスホンや無線LANのような免許不要の微弱電波を利用した携帯中継器を法で認めることがなぜできないのだろうか。
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