ほりえもんが外国特派員協会の会見で、「インターネットはテレビに勝つ」と語ったそうだ。またフジの日枝会長によると、ほりえもんが「テレビは10年後になくなる」といったそうだ。
確かにテレビにできることはインターネットにもできる。テレビにはインターネットの双方向機能がまだない。デジタルテレビで双方向機能がついたといっているが、あんなものが通信と放送の融合とはいえない。
だが、ほりえもんのいう、テレビとインターネットが融合してできる面白いことはいったい何なのか、よく分からない。
買収合戦の行方は不透明だが、歴史的に考えて、新メディアが旧メディアを買収するなんてあっただろうか。電信から電話に変わった19世紀末、電信会社は電話なんか使い物にならん、といって馬鹿にしていた。テレビが出てきた時、映画会社は「あれは電気紙芝居だ」といってあざ笑った。テレビに資本参加した映画会社はあったが、主導権は取れなかった。
無線通信で音声や音楽も伝送できることが分かった時、それを実験した連中はラジオ放送になるなど考えつかなかった。
新メディアと旧メディアの間には、深くて暗い川があるといえる。「会って話せば理解しあえる」とほりえもんはいうが、「話せば分かる」といって銃殺された首相もいた。新旧メディアは相いれない。より豊富な情報をしかも双方向で流せるメディアに旧メディアはかなわない。でも旧メディアはすぐにはなくならない。ラジオも車の中で聞くメディアとして生き残った。電信も電話が生まれて100年たったつい最近まで残っていた。
インターネットが出てきたから、テレビが今後10年でなくなるとは思えない。ライブドアが巨大な旧メディアを買収できるとも思えない。でも、テレビではなくインターネットがメディアの主流になることは間違いない。100年単位のメディア変革時代の流れの中で今回の買収騒動をどう位置づければいいのか、私にも分からない。現状で満足している旧メディアにはもっと分からないのだろう。
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