銀座の交差点でこんな声が聞こえた。「オレって小学校6年生までサンタはいると思ってたよ」。「ええっ、遅いな。サンタなんかいないって兄貴から聞いてたよ」。振り向くと中学生らしい若者が数人信号待ちしながら会話していた。
わが子もかなり大きくなるまでサンタの実在を信じていたようである。サンタに何を持ってきて欲しいか、希望をいわなくなったのは何歳ごろだったか、よく覚えていない。
私自身はもの心ついたころから、サンタなんて空想の世界だと分かっていた。だれかが早い時期に教えてくれたのだろう。サンタのプレゼントなどもらったことはもちろんない。親にはプレゼントを買う余裕もなかった。仏教徒だから、そういう発想がそもそもなかったのかもしれない。
25日の朝日新聞夕刊にこんな記事があった。AP通信とAOLが共同で米国の成人に調査したところ、サンタを信じるのをやめたのは平均で8歳。最多は10歳で18%だったそうだ。
日本で同様の調査をしたらどうなるか。街角で聞いた中学生の会話からして、日本人がサンタを信じるのをやめる年齢は米国より高いのではないか、と想像する。中産階級が圧倒的に多い日本では、子どもは周囲の善意を疑うこともなく、のほほんと育っている、と思うからである。
しかし、これからの子どもはどうだろうか。いじめや虐待の頻発、それより何より中産階級の減少で、子どもが周囲の善意を信じられる状態にあるのかどうか、心配ではある。
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