食の安全を考えるNHKスペシャルを見た。中国製ギョーザ事件で事前の危険信号はなぜ見落とされたのか。食品テロを未然に防ぐシステムを構築している米国。ギョーザ事件以降、中国産食材の輸入急減と食材不足に悩む加工食品業界の実態。考えさせられる内容だった。だが、解説のために出てきた生協出身のオバサンと某大学教授の話はまるで流通、食品業界の代弁者。口では食の安全は大事だといいながら、情報共有の難しさを強調するだけで聞くべき内容はなし。最後には「食は本来危険なものという意識を持て」とのご託宣。司会のアナウンサーのまごつく姿が気の毒だった。
この程度の危機意識と常識しかない人物が食の流通と安全を関わっているのかと思うと、ますます日本の食に対する不安は増す。
番組によると事件以降、国内産の食材への需要が急増している。日本の食料自給率を盛り返すチャンスにもかかわらず、農村で増産要請に答えられる人がいない。耕作放棄地があちこちにある。山河まさに荒れなんとしている。
ならば元気な定年退職者を大量に人のいない農村、不足している食材生産に送り込めないだろうか。趣味で農村に入った退職者が回りに何人もいる。年金で生活しているのだから、人件費を心配する必要はない。適度な農作業なら老後の健康保持にもいい。安全な食を子どもや孫のためにつくる。新たな生き甲斐にもなる。快適に暮らせる環境、農業の知識の共有など条件を整備すれば退職者は大量に農村に移住するのではないだろうか。農政は補助金を出すだけが能じゃない。
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