NHKが衆参両院で行われたNHK予算審議の模様を放送した。与党も野党もNHKの応援団のふりをしているが、予算審議につけこんで報道に介入している様がよく分かった。私がNHKのジャーナリストなら、そんなことをいわれる筋合いはない、放っておいてくれ、といいたくなるだろう。
見ていて、おもしろかったのは喜々としてして答弁する福地新会長と、ぶすっとしている今井副会長の対比だった。福地会長は民間財界人出身だから、議員先生のご理解を得たいと誠心誠意答弁している。今井副会長は、国会の場であれこれいわれるのは、報道機関として堪えられないと思っている様子だった。今井君とはかつて同じ記者クラブで働いたことがあるから心情はよく分かる。
NHKの予算審議がこれだけ長時間放映されたことはかつてない。視聴率を稼げる番組ではないのはもちろんだが、見る方にはいかに政治がNHKに介入したがっているかがよく分かる。NHKにそんな意図があったのだろうか。
放送法で決まっているから、予算の国会審議は仕方がないが、権力から独立した報道機関としてNHKが存続したいなら、公共放送という名のもと政治の介入を招く経営形態はもうそろそろやめた方がいい。通信と放送の融合法制が検討されているが、NHKの民営化は検討されていない。
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