かつて「病気とお金」という本を書いた。病気になったらいくらおカネがかかるのか、どうすれば節約できるのか、について解説したのだが、かかった費用をどのように支払うかについては書いたことはなかった。
今回入院した病院にはお世話になったので、あまり悪口は書きたくないが、この問題についてだけは苦言を記しておきたい。
入院した日。手続き窓口で数枚の書類にサインさせられた。そのうちの1枚に保証人のハンコをもらってこい、という書類があった。「今から入院するのに、保証人など立てられるわけがないでしょう。保証人がいないと入院もできないのですか」というと、「ご家族の方に頼んで保証人を見つけるようお願いしています」。その日家族は同伴していなかった。家族がいない場合はどうする?というと、「保証金を積んでください」。入院経費見込額30万円を積めという。クレジットカードでデポを積むというとキャッシュしかダメだとの返事。
医療費がかさんで支払いが滞る患者が少なくないのだろう。不良債権を未然に防ぎたい気持ちは分からないではない。しかし、これではお金がない患者は入院お断りといっているに等しい。頭から患者の支払い能力を疑ってかかるこの方法はいかがなものか。入院する前にストレスが溜まって病状が悪化しかねない。結局、私は現金でデポを積んで入院した。退院する時、デポの約2倍の費用を払ったが、仮に私が支払不能だったら、この方法でも30万あまりの不良債権が発生したはずだ。
もうひとつばかばかしい話がある。病室で利用したBフレッツの請求書が退院後10日たって届いた。こちらは郵便振り替えで支払えとある。なぜ退院時一緒に請求しないんだ。別会社が提供するサービスだから請求書も別なのだろうか。ワンストップショッピングを叫んでいた通信会社の子会社とは思えない。
病気とお金に関しては、まだまだ多くのことを書かねばならない。生命保険の入院特約をめぐる諸問題、高額医療費をめぐる問題、税金の医療費控除などがある。医療費控除は来年だから仕方がないが、前の2件はいずれもまだ処理されていない。なぜワンストップで処理されないのか。患者からの取り立てはなるべく早く、支払いはなるべく遅く。それが原則になっているようだ。日本の医療の裏の顔はまるでイジメッ子の顔をしている。
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