遼君はやはりすごい

遼君が中日クラウンズで最終日１２アンダーという記録的スコアを出して、逆転優勝した。３ホールのうち２ホールはバーディーを取った計算になる。以前からただものではないとは思っていたがやはりただものではなかった。
  テレビ中継を見る前にネットで１２アンダーの情報が出ていたので、時間きっちりにチャンネルを合わせた。しかし、テレビは前日までの遼君のプレーを繰り返し映し出すだけ。最終ラウンドの映像が出てこない。いらいらしながら待っていると、後半の２バーディーの場面しか出てこない。記録的スコアは前半の７バーディーから続いていたのに、テレビ局は何を考えているんだ。まさか遼君が逆転優勝するなんて考えていなかったかのようだ。
  ゴルフのテレビ中継は録画中継で、見せたいシーンだけを録画編集してあたかも実況のように見せている。いつまで待っても遼君の映像が出てこなかったのは、遼君の記録的スコアが出てあわてて編集しなおしていたのかもしれない。
  トーナメントの結果は素人の私にももう明らかだった。遼君がホールアウトした後すぐにチャンネルを切り替えた。
  テレビの解説者は「何もいうことはありません。ただ遼君のプレーを見ましょう」と解説を放棄していたが、それくらい完璧なプレーだった。いずれタイガー・ウッズにも顔色を失わせる場面があるに違いない。
  ゴルフは精神的な面がプレーに出るスポーツである。明鏡止水の心理状態が必要である。前日まで１アンダーで優勝を意識するような順位にいなかったことが幸いしたのかもしれないが、それでもすごい。私などめったにバーディーは出ないが、それが出た後なぜかスコアを乱す。この年になってもプレー中、心は千路に乱れる。たかが18歳の遼君がここまで冷静にかつ正確にプレーできるのはなぜだ。考え込んでしまった。