仙石官房長官が「自衛隊は暴力装置」と発言したことが責められ、国会で陳謝した。ヒステリックに追及する自民党の丸川珠代議員の剣幕に恐れをなしたのか、菅首相も自衛隊員を傷つける発言だったと認めた。
国会の質疑を見ていて、問題は暴力という言葉が悪いイメージだからいけないらしい。自衛隊は暴力団と同じだというに等しいからけしからぬ発言ということだ。
では暴力とは何か。力で相手をやっつけることである。軍隊が持つものはその国における最強の暴力である。その暴力を行使する場面が戦争である。実力行使と言い換えたところで、軍隊が行使するものは暴力である。
個人でも暴力は使う。暴力は暴力団の専売特許ではない。問題は何のためだれに対してその力を行使するかである。
軍隊はだれのために何をするのか。外国からの侵略に暴力を行使して国を守り、国民を守る。暴力団は市民に暴力を振るう。軍隊が暴力を行使する相手は侵略者というだけの違いである。軍隊が行使するものは暴力以外何物でもない。
戦前の軍隊は、政府にも国民にも銃口を向け、国を滅ぼした。なぜそうなったのか。自衛のための戦争だといいながら、軍が軍の論理で行動した結果だ。
軍隊が自らの論理で行動せず、本来の目的に従うように常に監視し、管理することが民主的政府の役割である。
暴力装置などといえば自衛隊員に失礼だとかプライドを傷つけるなどとおべっかを使うと暴力装置の思い上がりを招き、戦前と同じ轍を踏む。軍隊、自衛隊は暴力装置であると認識できない連中に、シビリアンコントロールは委任できない。仙石さん、なぜ陳謝したのか。正々堂々自衛隊は暴力装置だ、だから政治的中立を守るようきちんと管理しなければならないのだ、となぜいえないのか。
全く同感です、仙石官房長官には非常に違和感を感じています。
殊に、軍隊を「暴力装置」というのは当たり前のことであって、国家権力そのものも「暴力装置」です。
それを単純化して、暴力=アウトロー というのは理解できない。
これに対して突っ込んでいる自民党もどうかと思う。”暴力”をいかにコントロールするかというように。
”有事法案”をきちんと議論していかないと。
投稿情報: みっちゃん | 2010年11 月22日 (月曜日) 11:55