散歩の途中、銀杏のあの独特の匂いが漂ってきた。毎年のことなのだが、この季節になると散歩道に銀杏拾いのお年寄りが見かけられる。今年は1ヶ月ほど前、一人だけ見かけた。匂うのだからたくさん落ちているのかと思ったが、樹下にはほとんど銀杏は見当たらなかった。
今年の銀杏はどこかヘンだ。わが家の隣家に大銀杏が一本ある。例年だとこの季節にたくさん銀杏が落ちてくる。だが、今年はあまり落ちていない。そういえば8月ころ、その木の下に銀杏が落ちていた。季節はずれだな、と思ったが、あまり気にはしなかった。
今になって思うのは、銀杏はとっくに落ちてしまい、この季節もう残っていなかったのかもしれない。今年の夏は異常に暑かったが、猛暑の中で銀杏は落ちていた。猛暑の前の長雨のせいかもしれないが、植物にまったく学のない身には分からない。
そんなこんなを考えながら、八百屋の前を通りかかった。群馬県産銀杏が店頭に並んでいた。195円というので買って帰った。焼き銀杏で酒でも飲もうとしたが、適当な金網がない。仕方なく封筒に入れて電子レンジでチンした。数発の爆発音が響いた。カラが割れる音だ。あっという間に、焼き銀杏ができた。封筒の中に、割れて千切れた銀杏がこびりついていた。
食べたが、どうも昔の銀杏と味が違う。電子レンジがいけなかったのかと考え、中華なべで焼きなおして食べた。やはりいつもの味と違う。猛暑のせいなのかどうかは知らない。今年の銀杏は何かヘンだ。
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