福島原発の現場で多くの技術者が悪戦苦闘している。自らの命を賭けて。だが、日本の原子力技術者の多くは、この危機に直面してなお沈黙している。
原子力を学びながら、原子力を捨てた私に言える義理などないことは承知している。それでも何も知らない人よりは、この危機の重大さは分かる。
私は原子力の同窓生に奮起を促すメールを送ったが、だれも返答がなかった。それぞれが危機を打開する努力をしているとは思うが、それが見えてこない。
科学者や研究者だけでは、この危機は回避できない。技術者の衆知を集めることが必要だ。だが、メディアに登場する専門家は、現段階では健康に影響はない、安全だというだけである。みな同じである。
原発の現場を知っているのは技術者である。もっと知っているのは原発を建設し、その後運用に協力してきた下請け労働者である。事故対策に体を張って、いや命をかけて奮闘しているのはこの人たちである。東京にいる東電や保安院の連中ではない。まして原子力安全委員会の偉い先生でもない。
東電や保安院、安全委員会がいっていることはホントに正しいのか、確かめるためにも現場をよく知る技術者からの発信がほしい。ジャーナリストも現場に行けない。一方的な情報しかない。いまは大本営発表と何ら変わりがない。
現場をよく知る技術者は、なぜ沈黙しているのか。批判にさらされたくない気持ちは分かるが、それでいいのか。諸君は国民の税金で原子力を学んだ。特に国立大学で学んだ人は、今こそ国民に恩返しすべきではないのか。この期に及んで沈黙する技術者は許せない。
こんなのあります。
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投稿情報: pasta | 2011年4 月 5日 (火曜日) 16:03
池田さんのブログから「飛び」ました。私も柏崎の1号機の初臨界に立ち会った新聞記者のOBです。一貫した原発への「反対」姿勢に同意します。原さんのように専門分野出ではなく、文系の者ですが、原発はシリアスな事故が「起きたあと」の復旧手順が複雑かつ難儀です。そのことを立証したのがフクシマであり、石棺方式による廃炉を進めながら、初動の「手順と判断の誤り」を早く検証し、広く国民一般を巻き込んで議論するべきだと考えます。いま必要なのは、過大妄想でも杞憂でもなく、「3・11」後の「日常」を平静に受け止め、一人の電力の恩恵にあずかる当事者として、賢い選択をめざすような「正しいパニック」の構成員になる気概ではないでしょうか。
投稿情報: tsuneki | 2011年4 月 4日 (月曜日) 19:44
プルぷるんさん
少なくとも事故対策チームのリーダーは東電社員をはずす必要があるかもしれませんね。
われわれ老人は座して死を待つてもいいですが、子どもたちだけは何とか守ってあげたいですね。
いまこんなことを考えています。タイタニックではありませんが、いざという時、だれを優先して避難させるか。弱い人から救命ボートに乗せるのはいいのですが、今後子孫を残せる人を優先する。子育てを終わったわれわれは後回しでいい。それくらいの割りきりができる指導者が求められているのでしょうね。
投稿情報: junhara | 2011年4 月 2日 (土曜日) 21:48
チェルノブイリで5年間にわたり汚染除去の責任者を務めた方(ロシア人)が「企業は会社の利益を優先して行動するので作業から外す必要がある。幅広い知識を持つ経験豊富な技術者を日本中から集めて特別チームを編成し、作業に当たらせるべきだ」と述べてますね。
東電を事故処理から外して第三者の技術者によるチームで事に当たらせる。
これを今の日本でやろうと思ったら並大抵ではありません。
役人はまだ福島原発はチェルノブイリのように原子炉が爆発したわけではないことを根拠にかなり呑気に構えています。
本日、福島第一原発取水口付近から高濃度の汚染水が直接海に垂れ流しになっていると報道されていますが、これをもってしても役人にまだ焦りはありません。
あくまで個人的な推測ですが、恐らく原子炉が爆発でも起こして関東一円あたりまでは人が住めなくなるような状態にならない限り原さんやロシアの技術者が書かれているようなことを政府がやることは無いでしょう。
あくまでド素人の個人的な推測です(わりと良く当たりますが。。。)
ではどうしたらよいですか?
日本人は座して死を待つしかないですか?
投稿情報: プルぷるん♪ | 2011年4 月 2日 (土曜日) 19:32
激しく同意します。
投稿情報: hansei | 2011年4 月 2日 (土曜日) 11:27