スティーブ・ジョブズが5日逝った。だいぶ前からすい臓がんと闘っていた。アップルの創業者であり、中興の祖だった。
CEOに復帰した後、マックワールドだったか、2000年春に来日した時インタビューした。その時はもう社内では神様のような存在になっていた。インタビューを申し込んでも15分しか時間がない。あなた以外の同席者は認めない。周りの社員はぴりぴりしていた。意に介せず出版局の記者を同行していった。室内に入り、雑誌もインタビューに同席させてくれと本人に頼んだ。すぐOKが出た。15分過ぎると担当者が「もう時間です」。こちらの聞きたいことは終わっていない。「まだ時間はあるか」と聞いたらあっさりOKが出た。ジョブズは自分からMACの前で説明を始めた。結局決められた時間の倍以上インタビューできた。
そのインタビュー記事は朝日のデジタル面創刊0号に載った。0号だから一般読者には届かなかった。幻のインタビュー記事だった。当時は体格もよく、元気がみなぎっていた。その後も、マックワールドの新製品発表などで何度か見かけた。ある時ずいぶんやせたジョブズを見てどうしたのか、と思っていた。しばらくして自らのガンを発表した。
手術から一時回復したころ、スタンフォード大学の卒業式で彼が講演した。短いスピーチだったが、ダウンロードして読んだ。卒業生へのはなむけの言葉におもしろいフレーズがあった。
「stay hungry stay foolish」
世の中をうまく渡るおりこうさんにはなるな、ということだろう。その年、SFCを卒業した学生に同じ言葉を贈った。
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