25日付けネイチャーニュース電子版によると、福島原発から放出された放射能は政府が試算した値よりはるかに多いことが分かった。ノルウェーの気候学者アンドレアス・ストールのチームがCTBT(包括的核実験禁止条約)の監視ネットワークなどを通じて世界各国から測定データを集め、福島からの放出量を推定したところ、キセノン133は1・7×10の19乗ベクレルで、チェルノブイリ事故の放出量を上回っていた。セシウム137の放出量は3・5×10の16乗で、政府試算値の約2倍だった。これはチェルノブイリの約半分に当たる。
研究チームは、推測値が高めに出た理由について、日本政府の試算は国内の測定値を使っていて、太平洋上空に拡散した放射性物質が含まれていないためではないか、としている。詳細は下記のページを参照してください。
http://www.nature.com/news/2011/111025/full/478435a.html
政府試算が過小評価ではないかとの指摘はかねてからあったが、このリポートは福島4号機の使用済み核燃料貯蔵プールからの放射性物質の放出を重視、もっと早く注水していたら放出量を低下させることができたのではないか、と見ている。
4号機の使用済み核燃料が破損しているかどうかはまだ分からないが、観測データからは4号機のからの大量放出が確認されている。
爆発当日の天候が晴れで、風が西からの風だったことが幸いだった、と同記事は伝えている。逆にいえば爆発当日とその数日間、北東の風が吹き、雨や雪が降っていたら、人口密集地域の首都圏はどうなっていただろうか。
国民は政府発表を信用せず、政府系の科学者を疑うようになりました。ドイツのメルケル首相(元物理学者)も科学者/技術者からなる委員会を重視せず、哲学者・経済学者・宗教家からなる倫理委員会の方を重視したことを下記HPで紹介しました。021 リスク分析を技術者だけに任せないドイツ人
投稿情報: 田中秀明 | 2011年11 月 4日 (金曜日) 22:44