株主総会終了後、新築なった大阪朝日の本社を訪ねた。昔のフェスティバルホールがあった場所に高層ビルが建った。そのうちの3フロアが大阪本社である。昔の本社は取り壊され、来年また高層ビルに建て替えられるという。
福井支局勤務を経て、1972年から6年間大阪本社経済部に勤務した。新オフィスはまだ見ていなかった。受付で見学できないか、と申し出たら、IDカードを持ってないと株主でもダメと断られた。株主様もシャッタアウトするセキュリティーの物々しさに驚いた。東京も同じような厳しいセキュリティーが導入されている。
だれか大阪の社員を訪問するかたちで入ることができます、といわれたが、いまの大阪本社に勤務している同僚はだれもいない。
仕方なく、受付と同じフロアの喫茶コーナーでコーヒーを飲んでいたら、今日の株主総会で監査役に選任さたばかりの昔の部下が通りかかった。事情を話したら、すぐお客様カードを持ってきてくれた。
その監査役が新社屋を案内してくれた。編集局を訪ねた。経済部長に紹介された。お会いしても記憶がない。「いえ当然です。私が経済部に行った時、原さんは雲の上のひとでしたから」
編集局長も紹介された。事前に名前を聞いたが、思い出せない。会って初めて思い出した。確かに骨のある記事を書いていた。
それにしても、ここまで閉鎖的な新聞社はいかがなものか、とは思うが、言論を力でねじ伏せようとする勢力から、社員を守ろうとすると仕方がない。だが、これこそがヤツらの狙いなのではないか、という気がする。だれとでも自由な議論ができる環境こそ、平和で民主的な社会の基礎。それを新聞社が自ら崩さざるをえない。いやな予感がする
大阪は遠く成りにけり。最後に大阪に来たのはいつだったか。それさえはっきり思い出せない。嫌な世の中が来る前に早く逝くことにするか。
最近のコメント