両陛下のペリリュー島訪問ご苦労様でした。今回の訪問は先の戦争の悲劇を忘れてはならない、という気持ちの表れだ、と解説するメディアが多い。先の大戦で多くの犠牲者を出した沖縄やサイパンなどを訪問、両陛下が深く頭を垂れる姿は記憶に残る。もう高齢だし、激戦地訪問は、今回が最後になるかもしれない。
ペリリュー島の日本軍は玉砕を許されず、徹底抗戦を命じられた、といわれる。日米双方で多大な犠牲者が出た。なぜこんな小さな島で、なぜそこまで殺し合わねばならなかったのか。その歴史が今回の訪問でどこまで国民に理解されたか、分からない。
太平洋には先の戦争の激戦地があちこちにある。両陛下はその全部を回るつもりだろうか。硫黄島、アッツ島、ガダルカナル島、激戦地は広大な太平洋に散らばっている。ミッドウェーや珊瑚海など海戦で犠牲者も出た。ニューギニアでは多大な餓死者が出た。たぶん、回りきれないだろう。
太平洋だけでなく、フィリピンでの地上戦、ビルマ(現ミャンマー)戦線でも多大な犠牲者が出た。この膨大な犠牲者に昭和天皇は心痛めていたといわれ、両陛下はその遺志を継いでいるのだという。天皇の戦争責任は追及されなかったが、まったく責任がなかったとはいえない。そのことは天皇家自身が最も深く感じられているのだろう。だから高齢にも関わらず、慰霊の旅を続けているとしか思えない。
願わくは、もっと長生きして、すべての激戦地を訪ね、追悼をしてほしいものだ。
今回の訪問地、ペリリュー島では皇族も戦死している、とのうわさを聞いた。その事実は確かめようがなかった。両陛下の訪問がその皇族の慰霊もかねているとしたら、ちょっと訪問の意味が違ってくる。
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