http://www.asahi.com/national/update/0903/010.html
関電美浜原発蒸気漏れ事故で強制捜査が入った。当然だ。遅すぎるくらいだ。
事故直後から、関電は事故関連情報の開示をしてきた。私のところにも逐一メールで情報が送られてきている。そバックナンバーが以下のページで読める。
Insight 時代を解くキーワード
詳細な報告が続いているが、肝心なところが抜けている。なぜ事故を起こした配管の点検がちゃんとされていなかったのか、点検の必要性を指摘する声がなぜ無視されたのか、についていっさい触れられていない。警察の捜査もここに焦点があたっていると思われる。
関電の情報開示は、よその原発で同じような配管の減耗が起きていないか、点検することや、点検体制を見直すことなどは触れられている。しかし、なぜ点検されずに、事故に至ったのか、を検証しない限り、事故はまた起きる。こんな単純なことがなぜ理解されないのか、私には不思議でならない。点検を指摘する声が事故のだいぶ前にあったという記事はいつの間にか無視され、技術的対策、点検体制の見直しばかりが強調されている。
太平洋戦争開戦前、米国の戦力、国力を日本は正しく認識していたにもかかわらず、あの無謀な戦争へと突き進んでいった。なぜ正しい指摘が生かされなかったのか、今でも不思議に思っているが、それと同じことが現代でも繰り返されようとしている。初戦でたたけば、戦力の差は何とかなるといった論理が勝ったのだろうが、定期点検まで待てば何とかなる、という理屈で、何も対策をしなかったのだろうか。だとすれば日本人の情報感覚は昔も今も何も変わっていない。業務上過失で責任者や会社が有罪になっても、この情報感覚が治らない限り、事故や失敗は続く。
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