ソフトバンクが800メガヘルツ帯で携帯電話事業に参入する意向を表明しました。その記者会見で孫さんは、ソフトバンクは今後100年間、電波行政を担う総務省からいっさい天下りは受け入れない、と宣言しました。それだけでなく、電波行政の審議会、電波監理審議会の委員が利害関係者ばかりであることを指摘し、委員の選任の経緯を明らかにせよ、と要求しました。
これから携帯電話事業に参入しようというのに、許認可権限を持つ総務省に、半ば宣戦布告したようなものです。そんなことをしたら、必ずどこかで官僚のしっぺ返し、意地悪をされるのは明らかなのに、あえて電波行政のあり方に異論を唱えた孫正義という男を私は見直しました。
電電民営化からずっと日本の通信行政を見守ってきましたが、あえて官僚にたてつく経営者はほとんどいませんでした。そんなことをしたら損をするに決まっているからです。官僚が政策立案する際もっとも心を砕くのは、どのように天下り先を確保するかということでした。
PHSが事業化された時、こんな話をそっと私に告げる人がいました。全都道府県ごとに設立されたPHS会社に各社2人づつ天下り先を確保せよ、という通達が来ている、というのです。そんな馬鹿な話はないから、その通達を見せろ、と迫ったのですが、彼は証拠の通達を見せてはくれませんでした。その理由は、江戸の仇は長崎で討たれる、からというものでした。
審議会の委員も各界代表を公平に選任しているように見せかけてはいますが、自分の意に沿わない委員は時期がきたら再任しないやり方で上手に思い通りの運営をしてきたのです。それでもいうことを聞かない委員には目の前で官僚が土下座をしてまで、口をふさぐ工作をしていました。
これらの話は直接当事者から聞き、記事にもしてきましたが、それでも許認可行政の不透明さはまだ完全には払拭できていません。電波行政はその不透明な許認可行政の最後の残滓です。
行政にたてつく経営者はいままでもいました。でもいつの間にか、官僚と同じ穴のムジナになるのが常でした。たてつくとビジネスにとって損だからです。
孫さんがいまなぜ行政に歯向かったのか。失って惜しいものは何もない気軽さもあるかもしれませんが、既得権を持つ業者と官僚がぐるになっていたら新規参入なんかできない、という危機感もあったかもしれません。でも想像するに、不透明で公正でも公平でもない日本の通信行政のあり方に基本的疑問を抱いたからではないでしょうか。以前からジャーナリストが指摘してきたことではありますが、経営者が自らのリスクをかけて発言したことを評価したいと思います。
日本を立て直すには、いままでのように官と民が馴れ合うのではなく、お互いが透明、公正、公平な関係を築くことがもっとも近道だと思うのですが。
古い記事にコメントを失礼します。
彼の良さと悪さがあると思います
でも官僚にいえない世界より
悪いことを悪いといえるそれが大事ですよね
投稿情報: 孫正義のファン | 2008年8 月28日 (木曜日) 22:29
公園のフリーマーケットはとても分かりやすいたとえですね。
続きを書くとこうなります。
Aは古い商品を並べていたスペースを、もういらないから、と公園管理者Sに返上した。そのほかの業者が利用しているスペースを管理者が見直したら、いくつか空きスペースが出てきた。これからも出てきそうだ、ということが分かった。
それを知ったYが、空きスペースがあるなら俺にも使わせてくれ、俺に使わせてくれたら、もっと安く提供できる、と管理者に迫った。
管理者はいままで通り身内の関係者だけで空きスペースの配分を決めようとした。それに怒ったYが、公園の大衆に、こんなおかしな管理者はいない、と大きな声を張り上げた。
ほんとに空きスペースがあるのか、それを何に利用するのがいいのか、周りで見ていたお客は何のことなのか、さっぱり事情が飲み込めない。その中の1人が、昔から管理者のし切り方に疑問を持っていたから、Yのいう通りだ、もっと公明正大にし切れ、といった。するとまた他の客から、いままで通りで何が不便なんだ、という声があがった。
てな、とこでしょうか。どなたか続編をお書きください。
投稿情報: | 2004年9 月 9日 (木曜日) 02:25
ある公園でDとAという二人がフリーマーケットを始めた。
最初は赤字ばかりだったが、だんだん人も来るようになって黒字になりだした。
そのうちVとTが仲間に入ってきた。DとAほどの一等地ではないが、新しい場所で開店、
そこそこ客もつきだした。やがてフリーマーケットは盛況、成功した。
それに目を付けたYという禿げオヤジが「俺も仲間に入れてくれよ」と言い出した。
公園管理者のSは「じゃあVとTの裏で、そこしか場所は空いていないから」と告げた。
するとYは「おい、DとAが使ってるスペースがあるだろ、そこをよこせよ」と言い出した。
Sは「それは無理だ。DとAは特にお客さんが多くて、只でさえ場所が足りないくらいだ」と言った。
それでもYは納得せず「俺が一等地で店をやったほうがいい。客も喜ぶ」と言い出した。
当然開店していないYには一人もお客さんはついていない。
更にYは言った。
「後から来た俺を優先させろよ」
投稿情報: バカはBLOGをやるな | 2004年9 月 8日 (水曜日) 11:47