富山中部高校で、9月29日「新聞は生き残れるか」というテーマで講演します。(このページは生徒へのレジュメとして作成しました)
富山中部といえば、ノーベル化学賞を受賞したあの田中耕一さんが卒業した高校です。彼の後輩である優秀な生徒の前で講演するのは名誉なことですが、緊張もします。
若者の新聞離れが続く現代、インターネットに新聞は勝てるのか、という重いテーマです。私の結論は、新聞は生き残れる、ですが、それにはいくつか条件があります。
新聞が生き残る条件
新聞経営者がインターネットをよく知ること。
ジャーナリストにもっと自由を与えること。
新聞は読者と双方向の関係を築くこと。
若い人に望むこと
私が若い人たちに望むことは次のことです。
新聞同士の情報を比較することはもちろん、他媒体の情報とも比較すること。
新聞が書かないことに、気を配ること。
ネットの情報は必ずダブルチェックすること。
ネットが優位に
21世紀の新聞のあり方はだれも分かりません。しかし、自由な社会を維持するため、新聞が果たす役割はこれからも変わりません。新聞には編集機能があります。インターネットにはまだこの編集機能が確立されていません。いずれネットも編集機能を獲得するでしょう。その時、社会への影響力はネットが優位になるでしょう。
だれでもジャーナリスト
ネット、新聞どちらが優位になるにせよ、ジャーナリズムの役割は変わりません。
権力を監視する。
不公正、不公平を見逃さない。
この精神を持てば、だれでもジャーナリストになれます。
ただし、ネットに書き込む時は、人間としての品位を忘れないでください。
講演が終わって、生徒たちへのメッセージを色紙に書くよう、先生から求められました。タレントやスポーツ選手じゃあるまいし、色紙にサインなんて柄ではない、とは思いましたが、雑誌の電車中刷り広告を書くつもりで、以下のようなメッセージを書きました。
読んで、読んで、読んで、読む
書いて、書いて、書いて、書く
読んで、書く、ことは頭の中を整理すること
最近の子どもたちはどれくらい文章を書く習慣がついているのか、心もとないと考えたからですが、文章を書くことは頭の整理だけでなく、心の整理もできるし、周りを理解する端緒にもなるのです。新聞離れもいいけど、若者はもっとたくさん文章を書くこと、他人に読んでもらえる文章でなければなりませんが、それが自分の未知の能力を開発する近道でもある、ということを知ってほしかったからです。
先日は素敵な講演ありがとうございました。
私は読書が好きですが、書くことはあまりあ
りません。最近はニュースも興味を持って見
ていますがそこから何を考えていくべきかま
で考えずにいます。今回の講演で受身ではダ
メだと言うことが分かりました。読んで書い
て自分の可能性を探していこうと思います。
投稿情報: 中部高校2年 | 2004年10 月 1日 (金曜日) 19:26
新聞とネット。。非常に興味深く拝見させて頂きました。
ネットと比較して、新聞の強みと魅力は信頼性だと思っています。それは、将来も大きく変わらないと思います。
でも、例のプロ野球騒動の読売の報道は残念でした。
新聞各社は、それぞれの思想の下に論調が違うのは理解していますし、それが読者の購読判断基準になると思います。
しかし、今回の読売の選手会ネガティブキャンペーンは思想ではなく、企業の利益追求、私利私欲にしか感じませんでした。
これでは、読者の信頼は失うのでは無いでしょうか・・・・
投稿情報: deko | 2004年9 月30日 (木曜日) 19:55