NHKの番組クローズアップ現代で、「巨大台風直撃、避難指示機能せず」を見た。行政からの避難情報が住民に的確に伝わらず、被害を大きくしたことを取り上げていた。いくつか原因があるが、その中で行政の避難勧告と避難指示のどっちが緊急性があるのか、住民は理解していなかった、という問題が取り上げられていた。
避難勧告と避難指示、どちらが緊急なのか私にも分からない。広辞苑を引いても、勧めることと、指し示すことの違いくらいしか出ていない。行政が勝手に決めた用語なのだろう。
新潟中越地震のニュースでも何度もこの言葉を聞いた。どこが違うのかずっと分からなかった。クローズアップ現代を見て初めて分かった。指示の方が緊急性が高いのだ。だったら避難命令くらいにすればもっと分かりやすい。命令などの用語を使うと、選挙民に支配者的イメージが持たれ、よくないとでも思っているのだろうか。
NHKは中越地震のニュースの中で、「より緊急性の高い避難指示が出ました。住民の方すぐに避難してください」という報道をしただろうか。勧告、指示の違いを伝えていた記憶がない。
役所の用語には、国民がすぐには理解できない用語がいっぱいある。特に税金関係はさっぱり分からない言葉の羅列だ。役人のひとりよがりの用語が多い。自分たちの用語が国民にどう理解されているのか、総点検してみたらどうか。
外来語を日本語に言い換える研究をしている国の機関があるが、ひとりよがりの役所用語追放はそれより緊急性の高い仕事だと思うのだが。
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