私が仕事で使っているPCは松下電器のレッツノートである。SP2をインストールすべきかどうか、メーカーとしての判断を尋ねた。松下からの返信がこれである。
「恐れ入りますが、SP2に関しましては、導入を行われるか行われないかは最終的にはお客様でのご判断となりますことご理解くださいますようお願い申し上げます」
自宅のエプソン製PCにSP2を入れたらパフォーマンスがガクッと落ちたので、アンインストールした。この話は前に書いた。仕事に使うPCがそうなってはかなわない。だから質問した。以下が私の質問である。
「SP2について不具合とその対応策について、ホームページにいろいろ情報が掲載されているが、ようするにアップデートするべきなのか、すべきでないのか、メーカーとしての責任ある回答がほしい」
エプソンもやはりSP2に関する不具合情報をホームページに掲載している。だが、サービスセンターに問い合わせたら、そんなにパフォーマンスが落ちるならと、すぐにアンインストールする方法を教えてくれた。
SP2はMSの製品。PCは松下。MSの不具合の責任を取りたくない気持ちは分かる。PCを自動車、WINDOWSをガソリンにたとえるなら、こうなる。
性能の良いガソリンができたから早く使ってくれ、とガソリン販売業者のMSがしきりに言ってくる。だが、別の自動車に新ガソリンを入れたら自動車のスピードが落ちた。もとのガソリンに戻しても、以前の性能が出ない。だからもう一台の仕事用自動車に新ガソリンを使うべきかどうか、判断してくれ、とメーカーに聞いた。それなのに、自己責任で判断せよ、といわれたようなものだ。
自動車はガソリンがなければ走れない。PCだってソフトがなければ走れない。新ガソリンを入れたらいろいろ不具合が起きていることが、自動車メーカーのホームページには載っている。不具合が起きていることを知りながら、新ガソリンを使うかどうか、自己責任で決めろと自動車メーカーはいうだろうか。
なぜメーカーとして責任ある判断ができないのだろうか。そんなにMSが怖いのだろうか。不具合が起きることを知っていてリコールしなかったら、その自動車メーカーは責任を取らされる。
以前いた会社もSP2はまだ社員のPCにはインストールさせていない。霞ヶ関の某官庁もまだ入れていない。ちゃんと担当者がいて、動作確認をしているから、判断ができる。だが個人はそうはいかない。動作確認しているメーカーに判断を求めるしかない。
消費者は神様です、といった松下の経営哲学はどこへいったのだろうか。イラク人質事件で蔓延した自己責任論がこんなところまではびこっているとしたら問題だ。
松下の言い分を聞かずにばっさり斬ることもできるが、とにかくお客様相談センターに電話を入れた。なぜメーカーとして判断できないのか。MSから十分な情報がまだ開示されていないからだ、という返事だった。それにSP2がCPUパワーを食うので、パフォーマンスが落ちることも認めた。
松下の立場は理解できたが、自分でも判断できないものを、お客に自己責任で判断させるのはやはり無責任である。天国の松下幸之助が泣いている。
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