新聞ではあまり大きく報じられなかったが、地上最大の企業といわれたアメリカ電話電信会社AT&Tが消える。1984年、巨大企業AT&Tが長距離電話会社のAT&Tと7つの地域電話会社に分割されてから21年。かつては子会社だったSBCに160億ドルで買収されることになった。日本でいえば、長距離会社のNTTコミュニケーションズが地域電話会社のNTT東日本に買収されるようなものだが、130年の歴史と伝統を誇ったAT&Tがその歴史的使命を終えることに感懐を禁じえない。電信から電話へそしてIPへ、時代が大きく転換する象徴的出来事である。
AT&Tは電話を発明したグラハム・ベルが設立した会社で、米国の電気通信市場を独占してきた。その巨大さゆえ、常に司法当局から独禁法訴訟の対象にされ、ついに1984年司法省との同意審決で、7つの子会社ベビーベルを手放し、自らは長距離電話会社として再スタートすることになった。
ベビーベルを手放したといっても、当時の企業規模は依然巨大だった。ニューヨークマンハッタンにあったAT&TビルはIBMビルと並んで、威容を誇っていた。分割直後、このビルを訪ねたことがあるが、このビルに比べたら、NTTの日比谷本社ビルなぞ、マッチ箱みたいに感じられた。当時、AT&Tはまだノーベル賞受賞者を多数輩出したベル研もウエスタンエレクトリック(後のルーセントテクノロジーズ)も持っていた。そのAT&Tが消滅するのだから、現代がいかに大きな歴史的転換期にあるか、を物語る。長年親しまれてきたブランドとしてのAT&Tは残るかもしれないが、企業としては消滅する。
なぜベビーベルのSBCに買収されるに至ったかには、いろいろ要因があるが、ひとことでいえば、21世紀は電話の時代ではもはやない、ということである。マンモスが地球環境の激変に耐えられず、絶滅したように、通信の環境がIPへと激変する中、マンモス企業AT&Tも絶滅するしかなかった。
米国の後を追って通信自由化を進めた日本でも、通信の環境は同様に激変している。巨大企業NTTも絶滅の道をたどるのだろうか。日本は規制のあり方、競争の状態が米国とは異なるから、一概にはいえないが、環境の激変に自ら適応できなければ、マンモスNTTも絶滅は必至である。
NTTからの請求書についていたパンフレットにICテレホンカードが使えなくなるって書いてあったので、どういうことかと検索して、こちらに参りました。
NTTのHPを見てもサッパリ訳が判らないのです。
こちらの記事を拝見して、アタマの悪い私も納得(^^)v
つまり、昔のカードに戻るということですね?
よかった~昔のしか持ってないので心配になっただけでした…
AT&Tが無くなるって…そうなんですか、12年位前に日本AT&Tという日本支社に勤めていたので…ちょっと気になりました。
投稿情報: すみれ | 2005年2 月15日 (火曜日) 15:15