CATV会社のチラシがわが家のポストに入っていた。ケーブル加入工事費を港区が補助します、という大きな見出し。電波障害対策、地上波デジタル放送視聴のチャンスです、という脇見出しがある。1世帯当たり最大44100円が補助されるらしい。
おかしいぞ、電波障害対策は原因を作った人が対策費を負担するはずではなかったか。港区に電話を入れた。港区は高層ビルが多く、地域のほとんどで受信障害が起きている。その上、受信障害の原因がどのビルなのか、判明しないケースが多いのだそうだ。NHKに調査してもらっても、はっきりしないのだという。
原因者同士で話がつかず、いつまでたっても解決しないから、区で補助することにした、と区の担当者。今年度の予算額を聞くと、9000万円。2000世帯分の補助額である。
原因者が分からないから、区の税金を使うのが妥当かどうか。区議会でも議論になったらしい。港区の世帯数は9万。地元のCATV加入は3万。差し引き6万世帯に補助するとなると、30億円になる。
結構な金額である。原因者が分からないまま税金で補助するとなると、受信障害対策を怠るビルがますます乱立する。どこのビルが原因か分からないなら、全高層ビルに電波障害税をかけて、補助金分の税金を回収する必要がある。原因者負担の原則は曲げてもらっては困る。
それにしてもなぜいまCATVなのか。チラシを見ると、インターネットアクセスは最大で30メガ、モデムこみで月額5775円。100メガの光ファイバーと競争になるのか、心配になる。テレビなんかいらない。光の高速インターネットアクセスの方がほしい、という世帯も多いはずである。同じラストマイルをCATVにするか光ファイバーにするか、この補助金は競争をゆがめる恐れもある。
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