みずほ銀行とUFJ銀行でフィッシングメール(銀行の名前を語った詐欺メール)の発生が確認された。みずほのホームページを見ていただきたい。
http://www.mizuhobank.co.jp/
これで預金者への注意喚起になるのか、はなはだ疑問である。ただのお知らせとは違うはずだが、扱いは新商品のお知らせと変わらない。詳しく読んでいくと、みずほの正しいURLやアドレス一覧が出てくる。それを見て、フィッシングメールかどうか確認しろ、といっている。
最近は、正しいURLを表示しながら、裏で詐欺サイトに誘導する高度な手口も出てきたというから、正しいURLを預金者が知ったとしても役立たない恐れがある。詐欺に引っかかったらどうするべきか、の対策もない。注意喚起したのだから、フィッシング詐欺に引っかかったら責任は預金者にありますよ、といっているようなものだ。
一般の預金者は毎日銀行のホームページを訪問するわけではない。数週間に1回行くか行かないかである。しかもお知らせ欄は見ないで、素通りする場合が多い。もっと大きな見出しで、しかも実物の詐欺メールを示してどこが本物と違うのか、具体的に示さないと、注意喚起の責任を果たしたことにはならない。幸い実害はまだ出ていないが、ことの重大さを銀行はまだ認識していないのではないだろうか。
それにしても日本のフィッシングを含めた迷惑メールへの対応は遅い。迷惑メール対策を技術的側面から考える組織(JEAG)がようやく発足した。
http://www.iij.ad.jp/pressrelease/2005/0315.html
関係する企業、団体に呼びかけてから1年以上がたっている。技術で防止できるのが最もいいが、それだけで十分とは言い切れない。法的対策も必要だが、対策が十分ではない段階ではまず預金者に危険を正しく理解してもらう広報が重要だ。
偽造キャッシュカードの被害が出て、銀行は対策にやっと重い腰を上げたが、それまで銀行は預金者に被害を未然に防ぐ正しい広報はしてこなかった。フィッシング詐欺も被害が出ないと銀行は真剣にならないのだろうか。
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