「あなたは社長会見に出席をご遠慮願いたい」。こうNTTから言い渡された。なぜだ、と私。「あなたがフリーランスだからです。所属するメディアがなければだめです」
さらに問い詰めると担当者は、「どこに書いているのか、追跡できないから・・・」。納得できる回答はなかった。
私はリタイアしてからフリーランスのジャーナリストを名乗っている。書く場は主にこのblogである。だれからの制約もなく、フリーな立場で書けることを楽しんでいる。フリーランスこそ自由なジャーナリストだと実感している。
「あなたみたいな人ばかりじゃないんですよ」。どうもNTTの意に沿わないフリーランスがいて、そういうフリーランスを社長会見から閉め出したいらしい。私が社長会見に出ていると、示しがつかない、というか断りきれないらしい。
私と他のフリーランスとどこが違うのか。話を聞くうちに、NTTは私をお抱えジャーナリストみたいに考えているのではないか、と思えてきた。冗談じゃない。この問題について徹底抗戦を宣言してNTTを出た。
世の中の多くのメディアはフリーランスに頼っている部分が多い。古巣の朝日でさえ例外ではない。そういう事実をNTTが知らないわけがない。フリーの立花隆や江川詔子が社長会見に出たいといってきたらNTTは断れるのか。総会屋の機関紙に所属する記者なら、それだけで自由に出席できるのか。
NTT社内で開かれる社長会見は、建物の管理権限がNTTにある。それだけで、会見への出席を自由に断ることはできる。何もフリーランスだからという理由などいらない。お前は気に食わない、といって出席を断ればいいだけだ。
NTTにはその昔、葵クラブという伝統ある記者クラブがあった。そのクラブが閉鎖的だと批判され、分割再編にあたって、廃止された。廃止後はオープンスペースの記者室が開設され、だれもが自由に出入りできるようになったはずだ。今回の通告はその原則とも矛盾する。
既存のメディアしかジャーナリズムと認めないNTTにネット時代の新たな地平を切り開くことはできない。
まさかって思いました。原さんを締め出すなんて
正気の沙汰ではありませんね。
でも、社長会見で見えてくるのってNTTのほんの
一部です。僕なんかそうして取材するしかありません。
その一方でろくに勉強していない記者が大手新聞社の
記者だというだけで出席できるなんてのは、阿保らしくて
言葉も出ませんね。
投稿情報: 伴大作 | 2005年6 月 7日 (火曜日) 16:16