リンク: asahi.com: 映像作品の著作権、一括管理へ 経団連がシステム創設へ�-�デジタル.
映像作品をネットで再利用するため、出演者などの権利処理をするシステムを経団連が創設するそうだ。権利処理は膨大な手間ひまのかかる仕事だから、データペースを作り、迅速な処理ができるようにすることは必要だが、システムを構築しただけで、ネット利用が可能になると考えるのは早計である。
最近の作品ならいざ知らず、古い作品だと権利者をすべてデータペースに登録することができるのかどうか。1人でも漏れていたら、映像からその人の映像と音声を消し去らねばならない。音楽関係だったら無音にしなければならない。そんな虫食いの作品が商品になるのかどうか。
仮に関係者がデータペースで分かったとして、だれが承諾を求める交渉をするのだろうか。権利者が亡くなっていたら、相続人をどうやって捜し出すのだろうか。すでに映画は公開後50年だった権利保護期間が70年に延長された。映画の出演者は特定できても相続人を捜すのは人手に頼らざるを得ない。
この権利処理システムが有効に機能するには、発見できない権利者と相続人をどうするか、2次利用を許諾しない一部の権利者がいたらどうするのかを、解決しなければならない。データペースに権利者を登録、公開した後、一定期間異議申し立てを受け付ける期間を設け、その期間に交渉で解決しない場合は、強制的に2次利用を許諾できるように著作権法を改正しなければならない。
権利者の保護強化にばかり突っ走ってきた著作権法の流れを逆流させない限り、このシステムは機能しない。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。