3日、4日開かれたドコモモバイル社会研究所のシンポに参加した。PHS派の私はいわゆるケータイは持っていない。インターネットアクセスはもっぱらPCからだ。だから日本のケータイ文化を知らない。まして子どもがケータイをどう使っているのかも知らない。
シンポで群馬大学の下田博次教授は、全国規模で行った中高生のモバイルインターネット利用実態調査の結果を発表した。予想されたとはいえ、中高生たちのケータイ利用は朝から深夜まで、登下校中も、授業中も、続いていることが明らかになった。中学生の20%が見知らぬ相手のメル友とやりとりしていることも判明した。
さらに問題なのは、こうした子どもたちの利用実態を保護者も教師も把握できていないこと、どう指導してよいのか、自信を持てないでいることも明らかになった。詳細は同教授が子どもたちの安全な携帯利用のためにさまざまな情報を掲載しているホームページ、ねちずん村(http://www.netizenv.org/top.htm)に近く論文が掲載される予定なので、そちらに譲るが、親や教師の目の届かないところで利用される子どもたちのケータイ利用実態に社会も携帯電話会社ももっと目を向けるべきだ、と同教授は警鐘を鳴らしている。
「情報リテラシーを学校で教育するだけでは不十分。ナイフなど日常用具の使い方を子どもに教え、使い方を見守るのと同様、ケータイを用具として見なし、意識的に注意、指導しなければならない。携帯電話会社は親としての責任を果たそうとする保護者をサポートするビジネスモデルを早急に確立すべきである」と同教授は提言している。
私も子どもにケータイを持たせた時、見知らぬ人に自分の番号やアドレスは絶対知らせてはいけないこと、自分が特定されるような情報は掲示板に書き込んではいけない、など一般的注意はしたが、利用実態までは把握できていない。ケータイを肌身離さず持っているのだからのぞき込むわけにもいかない。
かつて子どものダイヤルQ2利用による法外な請求が社会問題になったことがある。それをきっかけに電話会社はさまざまな対策を講じるようになった。ケータイでも、子どもたちがどこにアクセスしているのか、どこが有害なサイトなのか、通信記録を保護者に開示して事前に被害を予防するサービスを始めてもよいのではないだろうか。子どもたちのケータイ利用は携帯電話会社の重要な収益源となっている。子どもたちの犠牲の上で稼ぐケータイ商法はもう許されない。アラームつきで位置情報を発信するキッズケータイを発売するくらいでお茶を濁されては困る。
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