NTTの光電話がつながりにくくなっている。連休明けの19日だけの故障かと思っていたら20日も不具合が続いているようだ。実は今日20日は、わが家のアナログ電話2本を光電話に切り替える工事予定日だった。予定時間になる直前、NTTから電話があった。「工事を延期しますか。それとも契約解除しますか」。せっかく他の予定をキャンセルして自宅で待っていたのに。復旧工事でわが家の工事にまで手が回らないの?と質問すると、工事はできるが、開通検査ができないから延期してほしい、ということだった。
わが家に光ファイバーが入ったのは3年ほど前だったが、光電話(NHKニュースはIP電話といっていた)には加入していなかった。緊急電話が使えない、0120など特番が使えない、留守電など付加サービスが充実していないなどの問題があったからだ。しかし、最近はアナログ電話とほとんど変わらないレベルまでサービスレベルは充実してきたし、同番移行ができるし、何より利用料金が安い、という理由から、切り替える決断をした。その矢先にこの故障だ。
まだ切り替えるのは早かったかな、契約解除しようかなと迷った。いや光電話が使えなかったら、携帯があるさ、と思い直して、工事延期を了承した。
故障の原因は、連休明けの通話急増によるつながりにくさを避けるため、事前に発信規制をしたことだったそうだ。故障を避けるための対策が故障を引き起こす皮肉な結果になった。
アナログ時代災害などで通話が集中し、つながりにくくなる現象はしばしば起きた。そういう場合、発信規制をするのだが、光電話は加入がまだ70万(NTT東)。アナログに比べまだ加入者は少ない。通話が集中したところで、アナログ電話より通話量はひとケタは少ないはずである。それでも発信規制をしなければならなかったのはなぜなのか。
光電話つまりIPになれば、設備投資は格段に安上がりですむ。アナログ時代より通話集中に対応するため設備に余裕を持たせることは難しいことではない。にも関わら故障が起きたのは、アナログ時代と同じ考え方で設備投資をしていたからではないのか。だとすると経営の過失である。
IPになるとハードよりソフトの重みが大きくなる。IP電話のソフトに問題があったのかもしれない。だとするとソフトのミスを見つける作業をしなければならない。それもやっかいな問題だ。
現時点ではよく分からない。いずれにしても光電話が安定したサービスレベルに達していないというしかない。
過去100年で安定したサービスになったアナログ電話をNTTはこれからIP電話に巻き取っていかねばならない。IPに切り替えたからといって通話収入が増えるわけではない。設備投資をケチりたい気持ちが湧いたとしても不思議ではない。
光電話がだめなら携帯があるさ、あるいは近くのアナログ電話を使えばいいさ、くらいに考えてくれる利用者はNTTにとってありがたい存在である。NTTは利用者の寛大さに甘えることなく、光サービスの品質向上に努力すべきだろう。早く故障原因を突き止め、情報公開することが必要だ。そうしないといつまでたっても光時代は来ない。
ひかり電話ユーザです。
今週まで、一度も技術面での不満は感じませんでした。
IP電話網そのものは、光ファイバー程の速さよりも、安定的な回線が求められます。
そのために、信頼性の高い回線網を並行して構築すると言う手法がとられていますが、これは全てを同じIP網で処理する方向とは異なります。
村井先生の言うように、インターネットはまだまだボロく、そして進化の可能性と必要性を持っている技術ですね。
投稿情報: kaku | 2006年9 月22日 (金曜日) 01:07