17日ワシントンの自宅で死去、81歳だった。asahi.comで昨日知った。
政治風刺のコラムニストだが、日本では知る人ぞ知る存在である。朝日新聞に死亡記事は載っていなかった。
私が彼を知ったのは朝日ジャーナルの副編集長時代。前任に引き継いで彼のコラムを担当することになった。引退した先輩が彼の原稿を翻訳し、私が行数調整と見出しをつける役目だった。
それまで海外のコラムニストには関心がなかった私だったが、担当している間にファンになった。政治的大問題をばっさり斬るというのではなく、身の回りの出来事をとりあげながら、政治や社会を風刺するその距離感が絶妙だった。米国社会と文化を深く知らないと笑えないジョークもあったが、へえこういう書き方、こういうものの見方もあるんだ、と大いに参考になった。
その後自分のジャーナリスト生活にどう参考になったかと問われても、批評精神、洒脱さは彼の足下にも及ばない自分がいる、としかいいようがない。
最後の著書は「さよならを言うには早すぎる」。まだ読んでいないが、透析治療を拒否しつつ闘病生活を送りながら書いたという。現代科学医療の成果も納得しなければ受け入れない彼らしい最後である。こんな死に方、自分にはできるだろうか。
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