みなさん残暑お見舞い申し上げます。
8月15日を前に先の戦争を特集するNHKの番組が続いている。猛暑で外出もしないからつい見てしまう。14日は東京裁判でA級戦犯の全員無罪を主張したインドのパル判事を取り上げていた。
人道に対する罪、平和に対する罪を、時を遡って適用するのは正しくないという信念から無罪の結論に至ったそうだ。法律適用の不遡及は法律を専門としないわれわれでも知っている。
戦争は犯罪である。この法理はいつ確立されたのかは知らない。連合国がナチスと日本軍国主義を断罪するために持ち出した論理なのかもしれない。勝者が敗者を罰する正統性が疑われるゆえんでもある。
番組は判事団11人の中で激論がかわされ事実を強調していた。判決ありきの一方的な裁判ではなかったというのである。その中心にパル判事がいた。
パル判事は同時に日本軍による非戦闘員の虐殺や残虐性を認定、許されないと断じているそうだ。
安倍首相は来週のインド訪問でパル判事の実家を訪れる予定である。どういうメッセージを彼らに伝えるのだろうか。やぶ蛇にならねばよいが。
番組は最後にこんなエピソードを紹介していた。パル判事は亡くなる直前日本を訪問し、「美しい国、日本に生まれた人がなぜあんな戦争をしたのか分からない」と語ったそうだ。ここでふと連想した。安倍さんのキャッチコピーの出所はパル判事だったのかもしれない。だからパル家を訪問するんだ。
> 戦争は犯罪である。この法理はいつ確立されたのかは知らない。
いまだ確立されてはいないのでは?
ハーグ陸戦条約などの戦時国際法が成立しているということから考えると、ルールにしたがった戦争は合法化されており犯罪ではないという見方もできます。
投稿情報: かに | 2007年8 月15日 (水曜日) 03:54