これまで放送は放送法と有線放送法、通信は電気通信事業法、両者の中間として通信役務利用放送法などが制定され、分野別の法制が適用されてきたが、通信と放送が融合する時代を迎え、複雑で難解な分野別法体系を改め、新時代にふさわしい融合法体系を創り出そうと官僚たちが動いている。
もともと通信と放送は、技術の利用の仕方が違うだけでルーツは同じである。通信は1対1の双方向の情報交換であり、通信の秘密保持を原則としてきた。放送は1対多の一方向の情報伝達手段であり、マスコミとして発展してきた。
だが、今や通信で放送同様のサービスが提供できるようになり、逆に放送設備を利用した通信と同様のサービスをすることさえ可能になってきた。技術的にはあえて区別する必要がないわけである。だったら、バラバラな法体系も時代の進歩とともに、融合させたらどうか、と規制当局が考えるのは自然の流れでもある。
世界で初となる融合法制つくりに官僚たちは意欲を燃やしている。しかし、ことは民主主義の根幹たる自由な情報流通に関わる問題である。官僚と一部の放送通信企業だけの論議にまかせておくわけにはいかない。ICPFは10月以降この問題を集中的に論議することにしている。
以下はICPFからのお知らせです。
第22回ICPFセミナー「通信・放送の総合的な法体系を目指して」
総務省では「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」を組織し、通信法制と放送法制の統合について研究を深めています。この新しい法体系によって通信と放送の融合が促進されるかどうかについて、世の中には賛否両方の意見が存在します。
そこで情報通信政策フォーラム(ICPF)では、今回から数回連続して月次セミナーで、この新しい法体系について議論を深めていくことにしました。
今回はその第一回として「研究会」の事務局を担当されている総務省の鈴木茂樹課長をお招きして、総務省の考え方を伺うことになりました。
スピーカー:
鈴木茂樹(総務省情報通信政策局総合政策課長)
モデレーター:
山田肇(ICPF事務局長・東洋大学教授)
日時:
10月25日(木)18:30~20:30
場所:
東洋大学・白山校舎・5号館5201教室
東京都文京区白山5-28-20
キャンパスマップ http://www.toyo.ac.jp/campus/hakusan.html
入場料:
2000円 ※ICPF会員は無料(会場で入会できます)
★申し込みは[email protected]まで、氏名・所属を明記してe-mailをお送り下さい。
(先着順40名で締め切ります。)
【情報通信政策フォーラム・ICPF事務局】
〒101-0047 東京都千代田区内神田2-14-3
phone 03-5209-6858
Fax 03-5209-5631
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