大阪場所を楽しんでいるが、モンゴル出身の相撲取りが強い。朝青龍、白鵬はいうまでもないが、元気な相撲をとっているのはモンゴル出身力士ばかりである。期待された東欧出身の大型力士はパッとしない。まるでモンゴル帝国に恐れをなしたかつての東欧キリスト教国の諸侯みたいである。チンギスハンはさしずめ朝青龍みたいな風貌ではなかったか、などと想像すると楽しい。
ちょっと前まで大相撲はアメリカ帝国に支配された時代があった。アメリカ勢が大相撲の開国に果たした役割は大きい。いまは陰も形もない。帝国の興隆と衰亡である。
歴史上モンゴル帝国の侵略に唯一抵抗して勝ったのは鎌倉幕府である。蒙古襲来に勝ったというのは偶然で、実は惨敗だったらしいが、日本勢の期待の星、稀勢里もぱっとしない。
モンゴル勢が強い理由はモンゴル相撲にあるといわれるが、あちらの相撲には土俵がない。大相撲のおもしろいところは技の切れ味と土俵際のきわどい変化にある。徳俵で踏ん張ったり、身をかわしたりして、逆転を狙う。蒙古襲来をかわした鎌倉幕府はこの土俵際の勝利だったのかもしれない。大相撲モンゴル帝国の快進撃は当分続きそうだ。
ところで大相撲に中国人力士がなぜか見あたらない。中国からの出稼ぎがこれだけいるのに、不思議である。モンゴルの脅威に恐れをなしているのだろうか。万里の長城で外敵の侵略を防ごうとした中国人にはもともとモンゴルを撃ち破ろうという意識がないのだろうか。北方の国境に万里の長城は築いたが、チベットとの境には万里の長城がない。モンゴルはやばいが、チベットはくみしやすしと思っているのだろうか。
大相撲を見ながらつれづれなるままに考えた。
日本の大相撲をかつて席巻したのはハワイ勢ですから、アメリカというのはちょっと無理があるんじゃないですか。ただそれでいえばサッカーだって卓球だって外国勢の助力なしには国際大会で戦えない。中国がどうのこうの、という前に、自国の判断、自国の力では何もできない(ように思い込んでいる)日本の現状の方が深刻ですよ。責任回避社会・共同無責任社会を作ってしまったわたしたち昭和20年代生まれに大きな責任があるな。やっぱり70年安保の挫折(だと思って日和った)が反省されていいかも。
ちなみに2回の元寇で最も悲惨だったのは朝鮮半島の人たちで、元帝国はさして痛手を受けていません。日本はというと、博多湾沿岸に築いた石塁を突破され、博多の町を焼かれ、太宰府まで追い詰められ、惨敗だった。おまけに元軍は今の鳥取や若狭、能登にも上陸する作戦だったのだから、台風がこなかったら、日本はたぶん中国の版図に含まれていたんでしょう。
さらについでなかがら、元寇で現地の守護・御家人は犠牲を払ったのに、幕府は何も恩賞を出せなかった。これが鎌倉幕府を倒し、南北朝の下地を作ったといっていい。
となると、いま、チベットの問題を日本が放置すると、アジアの信を失うことになるのは明らかです。毒入りギョーザ事件の解明もあいまいになっちゃいそうなのに、「日本は北京オリンピックの一部をボイコットする」ぐらいのこと、言えないのかね(言えないんでしょうね)。大蔵出身者じゃダメと民主党が言っているのに、それでも大蔵出身者を候補にする政治センスが混迷を深めているように思います。
支離滅裂ですみません。
投稿情報: 佃 均 | 2008年3 月20日 (木曜日) 18:02