太陽光発電のパネルをお宅の屋根に設置しませんか。補正予算で太陽光発電の補助金が復活したのだそうだ。売り込みはこれで2度目である。最初は補助金が打ち切られる直前の2年ほど前。何年で償却できるのかコスト計算の詳細を出せば検討するといってそのままになっていた。
今回話を聞くと、わが家の屋根には2キロワット分のパネルが設置でき、1日の日照時間を5時間として、その発電量は1ヶ月で330キロワット時。わが家の消費電力量の約半分がまかなえるという。
補助金は20万円が上限。パネルを無償で6枚提供してくれるらしいが、工事費やらインバーターなどで合計200万円くらいかかるらしい。(数字はセールスマンの話した数字をそのまま使っているので多少誤差があるかもしれません)
結局、節約できる電気料金から合計の投資金額を回収するのに、23年とはじき出した。私の計算だと30年以上かかるのだが、どちらにせよ、「死ぬまでには回収できないじゃないか」と私。ついでにメンテナンスはどうするんだと聞いてみた。毎年、パネルの汚れを掃除しにきてくれるというのだが、にわかには信じがたい。
仮に月々の電気料金が5000円節約できたとする。年間で6万円になる。200万の投資に対するリターンとしては3%の利回りになる。定期預金よりはるかに利率はいい。
しかし、結論からいうと、わが家には割が合わない。よほど余裕資金が手元にないと決断できない。金持ちが導入するのなら割に合う。庶民には余裕資金などないし、あったとしても老後のまさかに備えておくことの方が、合理的だからだ。庶民と金持ちの哲学の違いでもある。
太陽光発電で日本はドイツに抜かれた。世界一の座を譲り渡したことが批判され、補助金が復活した。ドイツのように太陽光で発電した電力を高く買い取らせる制度を作れという声がある。しかし、金持ちが導入するなら補助金がなくても、高値買取制度がなくても、利回りから計算して割りに合うはずだ。
かねて資源のない日本は無限に降り注ぐ太陽光にエネルギー源を求めるのがベストの選択だと考えていた。だから太陽光発電の普及促進に異議はない。現在問題になっている定額給付金。金持ちにも出すらしいが、太陽光発電を導入した高額所得者に限って給付金を出すことにしたらどうか。何より景気刺激即効薬になる。事務的煩雑さは増すかもしれないが、政策目的遂行のためだから我慢してもらうしかない。太陽光に投資するかどうか迷っているエコな人の背中を押す効果はある。
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