24日、ICPFとマニフェスト評価機構との共催セミナー「自民党と民主党に情報通信政策を聞く」が開かれた。自民党から世耕弘成氏、民主党から内藤正光氏の両参議院議員が出席した。初めから両党の情報通信政策に大きな違いはないといわれていたが、両氏の話の中でニュースというか目新しい部分を紹介する。
世耕氏は、通信と放送の融合をめぐる議論で交わされた2006年の政府与党合意はすでに時代に合わなくなっているとして、2010年に開始するNTTの経営形態議論については見直す可能性があることを明らかにした。またIT戦略本部がさる7月6日にまとめたi-JAPAN戦略2015にある電子政府の推進、医療、教育分野のIT化推進に全力をあげる方針を明らかにした。
一方、民主党の内藤氏は、情報通信政策の規制と政策を分離するために、日本版FCCを創設する意向を明らかにした。米国の連邦通信委員会(FCC)にならった組織で、総務省から通信放送行政を独立行政委員会に移管、国家権力を監視する放送局を国家権力が監視する矛盾を解消するとしている。
地デジ移行後の電波の有効利用については、部分的にオークション方式も検討すると話したが、どこまで導入するのか具体策は未定のようだった。世耕氏は、電波の空きスペース(ホワイトスペース)については積極的に利用する方向を示した。ただオークションについては慎重だと語った。日本版FCCについて世耕氏は各省の縦割り行政でバラバラになっているIT部門を統括する組織の必要性を訴えた。
全体的に両氏は、ITの積極的利活用が大事だという点で一致。日本はブロードバンドで世界一になったといっても、IT産業の競争力はかえって落ちていることに懸念を示した。
政権交代があっても情報通信政策に大きな違いが出るようでは困るのだが、どちらが政権をとっても、電子政府を初めITの恩恵を国民が享受できるような政策を実現してもらいたい。
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