ツイッターというネット上の情報交換サービスが注目されている。ひとり言を書き込むのでミニブログとも呼ばれる。ひとり言にどれだけの意味があるのか、私も使い始めたばかりでよく分からないのだが、ネットに連戦連敗の既存メディアが次々と参加している。メディアが見出しだけの速報をしているのだ。時間の経過とともに次々ニュースが流れてくる。いままでもRSSでメディアの速報を見ることはできた。ツイッターはだれでも速報できるのが違う。
会議やセミナーに参加しているフリーランスのジャーナリストがその会場からリアルタイムで速報を流すこともある。
かつてパソコン通信のネットワークサービスが始まった時、これでオンラインジャーナリズムができると考え、社内で提案したことがある。ニュースの発生現場から記事を流し、読者からリアルタイムで質問を受け、その場で再取材してまた書く。そんなジャーナリズムができると考えていた。その時は個人の記者が社を代表してオンラインに記事を書くことに賛同は得られなかった。通信環境も整っていなかった。
あれから20年以上たった。いつでもどこでもモバイルでつながる通信環境も整ってきた。オンラインジャーナリズムが出現する障害は何もない。唯一、編集責任の問題だけだ。それもフリーランスなら問題はないはず。
IBMがこのツイッターで広報資料を公開する実験を6日始めた。私ものぞいてみた。つぶやき機能だから掲載されるのは資料の見出しだけ。自社webに誘導することを目的にしているようだ。しかし、質問は電話でとある。
この部分がツイッターたちの不興を買っている。なぜ電話なんだ。せっかくリアルタイムで意見交換できる機能があるのだから、ツイッターで質問に答えたらどうか、という書き込みが目だった。
広報資料はその会社の公式資料である。ツイッターのその場で質問に答えたら、記者会見そのものになる。広報ではその場で公式に答える権限が与えられていない。とすれば、質問は電話でというのも仕方がない。ツイッターで広報する意味がどれくらいあるのだろうか。
政治家や歌手など人気商売の人々も利用している。宣伝活動、政治活動には有効かもしれない。大統領選挙後のイランの騒動、新疆ウイグル自治区の騒乱などでは、現地から名も知れぬ人たちの発信が、たった1,2行だがある。どんなメディアに発展するのか、すぐに飽きられるのか、判断するのはまだ早い。
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