24日朝日新聞朝刊声欄に「国会テレビ中継止めたら」という投書があった。国会審議の下劣さは聞くに堪えない。自民党議員の質問の質が落ちた。昔の社会党議員の鋭い質問、爆弾質問が懐かしい。昨年の加藤紘一さんの質問は良かったが、あれ以来良質な質疑がない。政府答弁も聞くに堪えない。辞任した法務大臣の発言。大臣はふたつだけ覚えておけばいい。自民党政権時代でもこの答弁はよく聞いた。辞めた本人は不本意だろうが、こんな答弁しか引き出せない野党、こんな答弁しかできない閣僚のやりとりはテレビ中継に値しない。
投書子はテレビ中継を止めればもっと質の高い審議ができるのではないか、書いていたが、質の悪い質疑をした議員、閣僚を国民の目にさらし、次の選挙で落選させるためにも、テレビ中継は必要ではないか、と思ったりする。
ついでにいっておくと、テレビ中継用に議員たちが作るパネル。見にくいし、何がいいたいのか一目で分からない。あってもなくてもいいのだが、どうせやるならもう少し智恵を使えといいたくなる。どの道彼らはテレビを見ている国民のことなど頭にないのだ、ということがあれでよく分かる。
尖閣ビデオではないけれど、要領よく編集して分かりやすい形で放送した方がいいことはたぶんNHKも分かっているはずだ。それでも審議の模様をただ垂れ流しするのは、政治的中立を装うNHKの欺瞞である。
夕刊の人脈記。戦時中、中国で憲兵として勤務した父について語る女性2人。中国で父は何をしたのか、もっと聞いておけばよかった、と語っている。私の父も日中戦争の初期、中国戦線に従軍している。戦後、戦友がわが家に集まり、思い出話をする現場に居合わせた。中には中国人を何人も斬ったと語る人もいた。その中で父は「オレは輜重輸卒だったから」というだけで多くは語らなかった。輜重輸卒とはいまでいうロジスティック、運輸部隊である。子どもだったから、話の輪に加われるはずもない。結局、中国で何をしたのか、聞くチャンスはないまま父は逝った。
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