大震災の影響で慶応大学の卒業式が中止された。計画停電で日吉キャンパスが使えなかったかららしい。私が非常勤で講義をしているSFCは23日、三田キャンパスでインターネット卒業式をした。Uストリームでその映像が卒業生向けに放映された。三田キャンパスでやったのは計画停電地域に入っていなかったからだ。
私も見た。1200人くらいが見ていた。式は学部長あいさつや卒業生代表のあいさつなどがあり、最後に「若き日」を歌って終わった。
式次第などなく学生のあいさつも即席でお世辞にもまとまっているとはいえなかったが、それだけに微笑ましかった。
先生はみな「卒業おめでとう」と祝いのことばを贈ったが、こんな時期に卒業なんて、まるで暴風吹き荒れる荒海に小船で漕ぎ出すようなもの。いつ難破するか分からない。こんな時に卒業するのは、気の毒としかいいようがない。
私も大学の卒業式はなかった。あの69年卒だ。卒業証書ももらっていない。後になって自宅に郵送されてきた。卒業式中止は寂しいだろうが、諸君の人生にとって何ら影響はない。これから諸君が漕ぎ出す社会は大変な時代である。しかし逆にいえば、これから日本が目指す方向がはっきりしている。安心で安全な社会を構築することだ。卒業生諸君、これからは苦しくて辛い日々が待っているだろう。だからおめでとうとはいわない。めげずに、あきらめずに、住みよい日本再建のため努力してほしい。
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