福島第1原発は破滅的事態を迎えている。2号機は格納容器の一部が破損したらしい。地震時運転していなかった4号機では、使用済み核燃料貯蔵プールで何か起きたらしい。周辺の放射能レベルが急上昇、政府は30キロ圏の周辺住民に自宅退避を勧告した。海外の新聞はこの危機をcatastrophe(破局)と表現している。チェルノブイリ級とはいわないが、それに次ぐ甚大な被害である。
東京周辺でも福島原発から出たと思われる放射性物質が微量検出された。ただちに健康への影響はないというが、長期間被曝したらどうなるのか。
震災被害復興なら個人でも義捐金を出す、ボランティアで働くなどできるが、原発事故には手の打ちようがない。日本から脱出すればいいのだが、全国民が脱出できるわけがない。庶民はじっと室内で待つしかない。西風が吹き続けて放射性物質が太平洋上に拡散してくれることを祈るだけだ。
科学が進歩する前の時代、中世や古代の人々が天変地異、疫病の流行など人智の及ばない事象が起きると、神仏へ祈ったり、祈祷したり、悪魔祓いをしたが、その人々の心境が分かるような気がする。手の打ちようがないことには祈るしかない。科学技術の進歩した現代に古えの人々の心境が理解できるとは何という皮肉だろうか。
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